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 キシは少し考えた。

「ボク、あなたと料理に夢中で全然事件のこと知らないんですよ。教えてくれますか?」

 …あんなに世間が騒いでいるのに。

 アタシはマカから預かった新聞紙や雑誌をテーブルに広げて見せた。

 そして事件をかいつまんで説明した。

 正直、キシには少し期待していた。

 ストーカーということを抜けば、キシは優秀な人間だから。

「…う~ん。まあちょっと不思議ですねぇ」

「どこが?」

「食事に手が付けられていないこと。だからヒミカはボクを疑ったんでしょう?」


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