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ヒミカの秘密

 アタシは唇を噛んで、顔を背けた。




 一ヶ月前。

 専門学校の屋上で、アタシは一人夕暮れを見つめていた。

 陽が落ちる景色を、アタシは一人で見るのが好きだった。

 そして落ちるギリギリのところで、いつもする儀式があった。

 アタシの血族の者は、夜の眷属と言っていい。

 陽が落ちると、眠らせていた血が騒ぎ出す。

 それを抑える為に…。

 アタシはいつも服に小型のナイフを隠し持っていた。

 切れ味の良いナイフは、切った痛みを感じさせない。

 けれど血をたくさん出してくれる。


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