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Gray
hopeだった少年は灰色の空を見つめて歌う。
「僕は雨が好きなんだ。濡れながら、眺めていたい……だから、動くのは、雨があがってからにしよう?」
欲しかったものを
手放してしまっても
もう一度 君に会いたいから
もっともっと強くなりたいと願い
空に手を伸ばし
固く握りしめた
雨が止んだら
旅に出ようか
灰色にくすんだ空の下
陽の光返す
水溜まりの上
濡れた肩 震え
また雨 降る
きっとずっと君は待ってくれている
それを支えにし
歩き出すと決めた
雲の切れ間に
陽光が射し込んで
白い翼 拡げて飛び立つ
I want… 僕の隣に
ただ 居てほしいだけ
Gray…
この暗い空
変えられるかもしれないから
灰色の世界
白銀に変えて
さあ 天使よ、飛び立て
天空に戻れ
ああ……!
雨が止んだら
旅に出ようか
もちろん、君と一緒に行くんだ
いつまでも
どこまでも
少年は、何を思うのだろうか……