葬送の歌
それは、世界の終わりを告げる物語の始まり──
記憶喪失の状態で、謎の生物に襲われ、命からがら逃げのびた少年、シュウ。
瀕死の彼を介抱したのは烏の骸に魂を宿した灰眸種の少女、サヤ。
彼女が語るその世界"メア"は吸血鬼が他の種族を淘汰する世界。
吸血鬼でないものが生きるためには、戦うしかない──
異世界同士を隔てる壁を越えてやってきたシュウは帰る手段を探しながら、サヤとともに吸血鬼と戦うことに。
そんな中、彼の耳に少女の歌声が響いた──
永い眠りから覚め、私は来たの
当て処なく空、見上げ 私は行くよ
人は皆、生き、死に、そこへ行くの
あどけない貴方はどこへと行くの?
哀しみが空から降り注いでく
暖かい雨が頬を伝ってく……
さあ、
生きとし生ける哀れなものらに
葬送の歌
届けにいきましょう
絶唱姫 ミク
第零楽章 「葬送の歌」
──She is a prayer──
「貴方に届ける私の歌」
「その身が凍り果て、物言わぬものと化したとしても」
「どうか、この祈り《歌》だけは聴いていてほしい──」
ここから続きものです。
シリーズタイトルは「血まみれの騎士《BLOODY KNIGHT》」。




