青春なんて
キーンコーンカーンコーン
チャイムと共に体育にいる新入生は口と足をピッタリ合わせ真面目な顔をしている。
それに比べ後ろに整列している中二と中三は口、足どころか学らんのボタンすら開けていた。
「お前ら静かにしろ‼新入生だってちゃんとしているぞ‼」
と先生のお決まりパターンで入学式が始まった。
もちろんこの新入生の中には栗山 正俊が入っている。
どうやらC組らしい。
「ふー偏差値0の割には対した学校だな〜」
そんなことを考えること30分やっと校長先生の話が終わったようだ。
ボーっとしていたせいか校長先生が出てきたことにもきずかなかった。
「校長先生ありがとうございました。」
「次に校歌を歌います。皆さん一度立ち上がりください。」
(やばいな~校歌覚えてこなかったなー)
そして曲が流れてきた。
(しょうがないから口ぱくでいくか。
••••••••••••
それで歌い始めたのはいいのだが隣の生徒がやけに歌がうまくて、先生達の視線を集めていた。
(ヤバイ口ぱくがばれる、誰だようまいの‼)
いらいらしながら正俊が睨みつけた。
正俊は急停止して、汗が止まらなくなった。
隣とは緊張を紛らわすために少し話したぐらいで、顔は見ていなかった。
しかし今よ〜く見てみると••••••••••
(あれっ隣のこ泣いてるのか?•••••いやむしろ涙流してなかったらまずいぞ)
正俊は視点を前の子の頭にずらす。
そしてまた隣の子を見てみる。
(やっやっぱなんか目からあごのあたりまで線が入ってる‼しかも口開けてないのに歌ってるー‼)
しかもどうやらその生徒から機械のウィィィィという音もしている。
正俊が焦っていると後ろの先生に大丈夫かいといわれた。
(いやいやあなたこそいくら偏差値が0でもいれちゃダメだってこの生徒は‼)
すると先生は正俊の隣の生徒に目をやりびっくりした顔をして見つめていた。
(おっきずいたか、ふーこれで一件落着だ)
正俊はそう思いホッと一息ついた。
すると先生は
「君、目から涙流してどうしたの?」
といった。
(先生それ涙じゃない!きずいてー!)
「まさか隣の君が泣かしたのか!」
「••••っあ、僕じゃないです。」
(てめーきずけー‼)
「とにかく終わったら職員室に来なさい」
そういって先生は去っていった。
(えー⁉なんでー⁉何もしてないのにー)
そして隣の子の機械音と同時に校歌の音もとまった。
••••••••••••••••••••••••。
そしてこの時が来てしまった。
「よし、正直に話せば許してくれるだろう」
タッタッタッタッタッ
音がだんだん近づいてくるごとに心臓がドキドキした。
ウィィィィンウィィィィン
(何か余計な音も聞こえるような)
後ろを向くとそこには先ほどの先生が機械を持っていた。
(なんだ~それか~)
そう思っていたら先生はむっとした顔になり
説教を始めた。
「おまえがやったんだな」
「いいえぼくは•••••」
「わかったおまえがやったんだな」
(話を聞けー‼)
すると、先生の隣に美人な女の子が立っていた。
(かっ可愛い......)
するとその女の子はニコっと笑いかけてきた。
(可愛い‼)
そうすると女の子は話し始めた。
「先生この人はとてもいい人です。泣かしたりさせないと思います。」
(しかもいい人だ!)
すると先生は
「そっそうのか、わかった、君すまなかった」
といってきた。
(かっかるっそんぐらいのことならよぶなよ)
しかし言葉を帰さないとまずいと思ったので正俊はとりあえず何か言おうと思った。
「全然気にしてませんよ」
(土に帰れくそじじい)
と言うと先生はすぐに去っていった。
帰り道にあの女の子に声をかけてみた。
「さっきはありがとう。そんなことより君はだれ?」
そうするとその女の子は笑って答えた。
「あなたの隣にいたじゃない」
正俊は目が点になった。
「でも口に線が•••••••」
「あああれね、私ロボットだから口に傷ができちゃうの。まあすぐ修理すれば平気だからいいんだけど」
その瞬間、正俊は失恋した。