神様のメモ帳
1巻しか読んでません。
おれが参考までに書いてやる。以下、「神様のメモ帳」のネタバレあり。
感動した。物語の中で、彩夏がなぜ死んだのか、謎のままにして物語りは終わる。その原因をわたしなりに考えてみた。
まず、第一の推理では、兄に突き落とされた。これは当然、罰を受けるべき兄に罪が追加されるわけであり、なるほど、ありえる展開だと思う。わたしはこの兄が憎い。
第二に、やはり自殺だというもの。そもそも、たった一人で園芸部をやっていた彩夏が兄に勧められて必死になって育てていた自慢の花が、主人公に見せて大威張りだった花が、麻薬を精製するための芥子の花だったことを知った彩夏は、恥ずかしすぎて自殺するのではないだろうか。
彩夏は主人公が園芸部に入ってくれたことが絶対に嬉しかったにちがいなく、自慢に披露した特製の花が、自分が一番大事に育ててきた一番綺麗な花が、犯罪に使われる花だったことを知った時、高校生彩夏は罪悪感に耐えられるだろうか。知らぬ間に、自分も犯罪の手先に入っていたことを、許せるだろうか。そして、彩夏が飛び降りて死んだというのなら、わたしは彩夏の自殺の原因にとても納得するのである。
そして、わたしはやはりこの犯人の兄たちを許せないのである。兄は物語の中で快楽主義を語る。快楽こそが人生の勝利だと語る。しかし、その兄の快楽は薬物によって得られた人工的な快楽である。その刺激は天国にいるかのようだと語られる。だが、わたしは主人公とともに断言して語りたい。この兄の快楽主義は、絶対に幸せな人生などではないと。負け犬の兄が手に入れた空虚な逃げ場所にすぎないと。
しかも、それが実の妹を利用して手に入れたものだなどとは、残酷すぎる。許されるわけがない。
天国とは何だろう。そんなもの、今の時代、誰も死後にあるとは信じていないだろう。だから、現代の我々は現世で天国に行けることを目指す。しかし、ただ快楽を手に入れただけの人を人生の勝者だとは認めたくないのである。
わたしはこの物語を読んで思う。もしかして神様がいたとして、その神様が選ぶ十四万四千人の天国へ行ける選ばれしものは、やはり心正しき者たちであろうと。わたしはキリスト教もユダヤ教も信じてはいないけど、神様でなくてもいい。もし、天国へ行ける者を選ぶのだとしたら、それはナルミのような勇敢な自己犠牲をもったものか、アリスのような隠れた頑張り屋なのだろう。
わたしも神様のメモ帳に良いことばで名前が書かれるように、生きていきたいものだと思った。
おわり