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百年の孤独

大学生推薦本

 アウレリャノ・ブレンディア大佐は、もし選挙で違反を権力者が行っているのなら、国民は立ち上がらなければ成らないことを示している。

 ホセ・アルカディオ・セグンドは、もし、労働組合が資本家につぶされるようなことがあったら、国民は立ち上がらなければならないことを示している。

 この二つから、この物語の背景には、極めて民主主義を応援する思想の反映が見受けられる。我々は、他の波乱万丈な人生劇場にふりまわされて、このことを見逃すようなことがあってはならない。

 選挙の投票数を偽造するものはぶち殺すべきだ。もちろん、無血革命が望ましいけど、支配者に搾取されながら生きるよりはマシである。わたしは、立ち上がったアウレリャノを心の底から応援していた。わたしが、殺人を認めても、選挙捏造を許さない証拠である。

 この物語を読んで、はたして、大衆はアウレリャノを悪だと思うだろうか。少なくとも、わたしは思わなかった。敗戦したのに、国民の英雄だと称えられるアウレリャノ・ブレンディアは、この物語が書かれたコロンビアが選挙捏造を疑っていることを背景に描かれたにちがいない。事実、わたしは日本でもアメリカでも、選挙捏造が行われる可能性を疑っている。ましてや、発展途上国はどうか。

 ニュースで見る発展途上国のデモも、さもあるべきである。民主主義を推進しなければならない。

 今、描かれるべき物語とは、民主主義の物語であり、神学の物語などは打ち捨ててしまえばよい。

 「百年の孤独」は発展途上国コロンビアの栄枯盛衰を見るような気がして、非常に貴重な情報を我々に与えてくれる。発展途上国が先進国、イタリアやフランスに負けないのは素晴らしいことである。物語の中で、先進国の科学に心酔する人物や、先進国の男性に憧れるコロンビア女性が描かれる。しかし、コロンビアは先進国に負けない。世界は、そのようにあるべきである。

 この物語からは、社会弱者が社会強者に勝ついくつものできごとが描かれる。注意して読むと、いつも社会弱者が勝っていく。これは、作者ガブリエル・ガルシア=マルケスがそういう思想を好んだ証拠であり、この物語は、これからの文明国に深い示唆を投げかけるものである。


おわり。


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