第五話 兄の休暇
宇宙戦艦内のテストシュミレーションルーム
に3人は集合した。
「この間は助かったよ。ありがとう」
「殺戮のジャック倒して階級が伍長に格上げしたな。」
「アクス伍長、ごちょうろう様(ご苦労)です。ガッハハハ!」
「・・・」
ディックとアクスは無言になった。
「ディック新しい戦術テストすんだろ!」
「うん、そうだね。何個か試してみたいんだ。生き残る為には
技術を戦術でカバーするしかないよ。」
戦術名【デルタアタック】
3列 縦に並んだ機体が3方向に分裂、三角形の
トライアングルになり、敵を集中放火
戦術名【ガードカウンター】
盾でガードしながら敵にぶち当たる、
相手が吹っ飛んだところで集中放火
戦術名【メテオ(流星)ストライク】
ディックの機体がミサイル全弾発車
イーグルとアクスがミサイルと一緒に突撃
ビームソードで突き刺す
「戦術はコンピュータに反映させたから、戦術名を言えば
自動的に開始するよ。」
「スクランブル8を入れると4戦術か。」
「相手によって使い分けしたり、組み合わせして戦ってもいいね。」
「戦術でギャグが出て気ません術!ガッハハハハ」
(あれが地球か!15年ぶりだな)
宇宙戦艦の小窓から青い地球が見えてきた。
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「懐かしの、わが街。やっと帰って来れたか。」
マーシャルは3年ぶりに休暇を与えられ、アフリカ戦線から祖国アメリカへ
戻ってきた。季節は12月クリスマスの飾り付けが、いたるところにある。
(ミレーユのパイ包みのクラムチャウダー、久々にたべれるな。
あれは!ミレーユじゃないか)
「お嬢さん、沢山の荷物抱えてどこへいかれるのですか?」
「あっ兄さん。料理の材料の買い出し中だったのよ。予定より早くない。」
「一つ前の戦艦に載せてもらえてね。」
「兄さんの活躍、テレビのニュースで観たわ」
「自慢のお兄様になりましたか、今回の休暇もご褒美みたいなものさ。」
「戦争のきっかけになった事件は私たちの家から始まった。」
「そうだね。アクスが生きているかもしれないんだ。」
「えっ、どうして連絡をくれないの?」
「陸軍にいるらしい。内部のスパイからの情報だ。
どうやら陸軍でも機密作戦に参加してるようなんだ。」
(アクス、連絡できない状況なのね。生きてて良かった。)
ミレーユはほっとした。
(どこかの戦場で会うかもしれないな。できれば戦いたくない。 )
マーシャルはアクスと再び会い戦わなければならない覚悟をしていた。