第93話 食料調達
朝になり、また謎の料理を食べたら艦長に面会を求めた。
すぐに許可が出たのでまた数百メートルを歩き、百段以上の階段を昇った。アスレチックかな?
「あれ? 空調が働いている」
一緒に連れて来たジージーが声を上げた。お、確かに空気が淀んでないや。
「昨日の配管かな?」
四十数本でこの巨大な船の空調をどうにか出来たとは思えないが、空気が淀んでないのならオッケーだ。
艦長がいる部屋に来ると、主なメンバーが揃っていた。
「いきなりごめんね。今のうちに食料調達をしたいからこの三人を出してもいいかな? なんなら情報収集のためにルービーたちを出してもいいからさ」
「食料なら充分な量があるぞ」
「あるうちにだからだよ。輸送部隊がここに来てくれるわけじゃないんだし、余裕があるうちに動くべきだ。ルクセル側もこの星に落ちているんだからさ」
この島の生き物だけでは限界があるはずだ。アルレシアには何百人と乗り、仲間のところに戻ろうとするならな。
「遭遇したのか?」
「ああ。いきなり襲って来て、一刀両断にしたよ。この星の人間がね」
「……本気で言っているのか……?」
「もちろん。ボクが打った剣でスパッと斬ったよ。余裕でね」
「バケモノか」
「そうだよ。バケモノだ。そんなバケモノがこの星にはたくさんいるんだよ。あまり原始人と侮らないことだ。そんな原始人は魔法って不可思議な力を使うんだからね」
まあ、そんなバケモノばかりだと思われても困るがな。
「わかった。ジージー46、食料調達を命じる。ルービー1と協力せよ」
「はっ!」
やっぱり敬礼はしないんだ。
「もちろん、この二人もだから。ランジン。工房に寄って巨石獣の残骸をこちらに持って来て。あと、ボクは依頼でしばらく山を下りたと伝えておいてよ。ここから当分帰れないと思うからさ」
このことは部屋を出る前に語ってある。ボクが残ることで三人が自由に動けるようにするってね。
「わ、わかった」
「じゃあ、ボクはジールのところに向かうよ。今日中に配管をすべて修正したいからさ」
魔力は全快。百本はイケるはずだ。
「楽しそうだな」
「楽しいさ。たくさん金属を打てるんだからね。錬金鋼術は金属を打てば打つほど金属を理解出来る。真理に届く。それが職人ってものさ。まあ、君たちには理解されないとは思うけど」
これは、人間の意地でもあり職人のプライドでもある。
「技術は裏切らない。裏切るのはいつだって人間のほう。ちゃんと向き合えば金属は応えてくれるのさ」
昭和を生きた職人たちから教わった格言であり、次世代に受け継ぐものでもある。なあ、おやっさん!
「んじゃ、一日でも早くアルレシアを飛べるようにするよ」
やったるでー! と部屋を出た。
おやっさんに敬礼!




