第9話 メシの種
「とりあえず、この世界に慣れるためにも一度狩りでもしてみようか」
ジージーは軍人らしいが、近接戦闘の経験はないとのこと。ただ、DNAをクチュクチュしたそうで、肉体は強化されているとのこと。一部機械化もされているから見た目とおりではないそうだ。
「そう、ね。なにもわからない状態では危険ね」
短慮じゃなくてなにより。それなりの軍事知識は教育されているようだ。
「槍と剣を持ってもらうとして、その腰にあるものって、どのくらいの威力? 何回撃てるものなの?」
近接戦闘もしないシャレインによく積んであるよな。サバイバルキットの一つなんだろうか?
「十五発。エネルギーカートリッジの換えは二つよ。威力はそれなりじゃないかしら? 訓練で的に当てていたから正直、どこまでかはわからないわ」
あ、ボクの頭の中で自力翻訳させてもらいます。面倒なんで。
「標準装備じゃなくサバイバルキットの一つ、って感じ?」
「そうね。使う場面もないし、基礎訓練で五時間ほど扱った、ってとこよ」
超技術のイニシアチブはその体だけ、ってことか。と言ってもバケモノみたいなヤツがこの世界にはゴロゴロいる。下手したらシャレインを落とせる魔法があるかもしれない。一兵士でしかないジージーでは厳しいだろうよ。
「じゃあ、銃は万が一のときのために残して、身体能力を活かした戦い方で考えようか。これを持ってみて」
ボクのメシの種である剣を持たせてみた。
「軽い? それとも重い?」
「うーん。まあまあかな?」
「身体能力、普通の女性の四、五倍ってところかな? ちなみに普通の女性ならまず持てない。鍛えた男性でも重いと感じるものだよ」
約十五キロ、ってところだろうか? 剣としてかなり重い。普通は五キロ以下だからな。
「特殊な金属を使っているから使える人はかなり限られてくるものだ。まあまあなら問題なく、並みの魔物なら充分通じるだろうね」
ブンブンと剣を振るジージー。超技術は人間をここまで強化出来るものなんだな。
「ジージーのような兵士なら男女関係なく持てそうな重さなの?」
「そうね。これの三倍、いや、五倍までなら問題なく持てると思うわ」
十五キロの五倍って、七十五キロか。問題なくってんなら百キロまでは持てそうな感じだな。
それならこの世界にもたくさん存在しそうだが、体力もかなりありそうな気がする。百キロくらい問題なく走れそうだ……。
「じゃあ、剣士ってことにしよう。サブとして槍。これはそこまで立派なものはいらない。草や地面を探ったりするものだからね。町の武器屋なら安く買えるもの。使い捨てでいいと思う」
他にも刃渡り三十センチくらいのナイフも持ってもらう。解体するときに重宝するものだ。




