第88話 第六戦闘位
やっとこさ動力機関部の部屋にやって来れた。ふー。
「空調はなんとか動けているんだ」
「そうしないと熱が籠るからね。これ以上、機器を壊すわけにはいかないよ」
どんなに時代が進んでも湿気対策は必須ってわけか。ロマンだけじゃ宇宙は飛べないってことだな。
部屋には十人ほどおり、オペレーターって感じだった。
「整備員総出で事に当たっている、って感じだね」
「ええ。不時着したときにいろいろ壊れたからね。よく死ななかったものだわ」
整備員は艦橋員のことは知らないのかな? まあ、結構な数が乗ってそうだしね。職場が違えば顔を合わすこともないか。
「まずボクの力を見せるよ。君たちから見たらボクは原始人みたいなものだからね。空調系のパイプを直すよ。作業員に同行させてもらえる?」
「わかった。ジール班に入れましょう。わたしも同行するから」
「了解」
すぐにジール班に連絡を入れ、作業服と工具を貸。してもらったらそちらに向かうとする。
「作業員は何人いるの?」
「約三百人ね。十八の部門に分かれているわ。わたしはその総責任者よ」
「かなり地位が高かったりする?」
「そこまで高くもないし、低くもないわね。作業員は第六戦闘位だから」
戦闘位は十段階あり、聞いた話から下士官クラスのようだ。
「シャレインのように自動学習とか出来るかな? てか、許されている?」
「レイと協力して直せとの命令だから、必要なら使っても構わないわ」
案外、自由度がある命令であり、受け取り方なんだ。まあ、頭のチップでボクの動きは筒抜けだろうけど。
そう遠い場所にいるわけでもなかったようで、すぐに合流出来た。
「レイ。ジール146だ」
「その最後の数字ってなんなの? 作業員の数を表しているの?」
「そうね。正式名は動力機関部作業員146ジールが正しいわ。まあ、面倒だからジール146と呼んでいるけど」
短縮させたりするんだ。まったく、ロマンがないんだから。
「レイだ。よろしく、ジール」
「あ、はい。よろしくお願いします」
下になるほどくだけてくるよな。ボクとしてはそのほうが取っ付き易いよ。
「ジール。作業現状を教えて」
「はい」
脳内で情報を送れるのは便利だな。携帯端末にも送って欲しいです。
「レイ。今、配管の修正に手こずっているの。金属の加工が出来るなら修正してくれる?」
「その配管の型、寸法、強度、素材の情報を携帯端末に送って」
叩いたほうが早いが、もらえる情報はもらっておきたい。今後、なにかの役に立つかもしれないからな。
「わかった。送ったから見てちょうだい」
見方を教えてもらい、配管の情報を見た。
「うん。これなら大丈夫そうだ」
そう難しい構造ではなく、前世の技術でも造れそうなものだ。宇宙に出ても配管はそれなりなんだな~。




