第85話 艦長
中は以外と宇宙な戦艦の大和的なSFしていた。
「静かだね」
「戦艦の約七十パーセントを停止させている」
「食料は大丈夫なの?」
「島の生き物を狩っている」
未来的処理マシンがあるのだろうか?
「一応、ジージーに魔物を食べさせて安全を確かめたけど、強い魔物は魔力を多く含んでいるから気を付けなよ。ほぼ毒と同じだから」
「……お前、わかってて食べさせたのか……?」
「この星で生きなきゃならなくなったらこの星で生きているものを食べなきゃならない。なら、食べられるかどうか調べなくちゃいかんでしょう」
同じ人の形をしていてもジージーは宇宙人。別の星の食料を食べて育った存在。消化機能が同じかどうかわからない。なら、食べさせるしかないじゃない、だ。
「食べるんならちゃんと処理しなよ。水もしっかりと濾過すること。最初、水を処理し切れないみたいなことがあったからさ」
下痢? とも訊けないので黙っていたのだ。
「……気を付けよう……」
まだ水は残っているようで、どこかに通信しているようにこめかみに指を当てていた。
長い長い通路を歩き、非常梯子を昇りに昇る。
「宇宙を航行する時代に梯子とはね」
「我々もまさか使う日が来るとは思わなかったよ」
どんだけプレアを節約してんのさ。相当ヤバい感じ?
二百メートルは昇ったか? やっと目的の階に着いたようだ。ふー。
「大丈夫?」
金属骨格を持っているはずなのに、ルービーの肺はそれほど強くないようだ。息を切らしているよ。戦闘タイプじゃないのか?
「……も、問題ない……」
問題しかない姿だが、そこは触れないであげましょう。
息を切らしながら進んでいると、扉がすべて開いていた。そこまでケチってんの?
「失礼がないように」
「だったら身分と地位、事前情報を寄越してよ。ボクはグージー側に所属しているわけじゃないんだからさ。この星に滞在するなら現住民を知っておくべきだ。そのための君らでしょう」
戦争ばかりしている弊害か。味方か敵しかいないってのはいろいろ必要なものを退化させるんだな~。
開けっ放しの扉を潜ると、明らかに高官と思える人たちが集まっていた。
「艦長、連れて参りました」
「そこは、ご案内しましただよ。ボクは敵でもなければ脱走兵でもないんだからさ。ここに来るまで学ぶ機会はあったでしょう」
ナメているのがよくわかるよ。
「アルレシアの艦長、カールジー34だ」
見た目、二十歳くらいの女性が声を上げた。
「錬金鋼術士のレイだよ。レイと呼んで。そちらは、カールジーと呼べばいいの? それとも艦長かな? 34って地位を表すもの?」
グージー側は名前ってより認識番号っぽいんだよな。
「艦長と呼んでくれ。34は艦名であり、艦長番号でもある」
なんとも味気ないものだ。ロマンは一切なしかい。




