第80話 ラクシャク(バトルスーツ)
宇宙でもないのに宇宙服を着ても意味はなく、すぐに満足して脱ぎました。
「はい。わかりました」
脳内チップを通して通信が入ったのか、ナーズが声を上げた。
「なんで頭の中に通信されるのに声に出しちゃうの?」
「……クセみたいなものだ……」
日本人が電話の前でお辞儀するのと同じ理屈か?
「次はバトルスーツを見せてよ。ボクを襲って来た連中が纏っていたもの」
あれなら興味深いことが見つかるはずだ。
「それならお前が行動不能にしたヤツらをなんとかしろ。いったいどうやったらラクシャクを壊せれるんだ?」
バトルスーツはラクシャクって言うんだ。シャレインにはなかったけど。
「それが錬金鋼術だよ。まあ、この星の技術形態の一つさ」
高度な魔法は科学と区別がつかないと言われるが、明らかに別の形態だ。ただ、基礎なる部分は似ているから干渉させられるんだろうけど。
「まあ、見たいなら見てもいいし、調べたいのなら好きなだけ調べていいよ」
錬金鋼術が科学的に調べられるならありがたい限りだ。ボクは錬金鋼術がDIYレベルに落ちても構わない。発展するなら工具も発展するってこと。より高度なことが出来るってことだ。ボクは大賛成だ。
「運ばれて来たようだ」
ナーズに案内され、作業場のような治療室のような場所に連れて来られた。アルシース、三十メートルくらいなのに部屋が結構あるよね。
宙に浮くストレッチャーのようなもの寝かされて運ばれて来たようだが、それが動かせるだけのスペースがあるとか、謎が多いな、アルシースって。
「そんじゃ、パージさせるけど、壊れても文句なしだからね」
ボクはラクシャクを解析出来て、ナーズたちは仲間を救える。まあ、ナーズたちからしたら納得出来ないでしょうけど。
「……わかった……」
槌で歪ませたところを修正すると、脇腹のところがカチャリと鳴り、腹部が開放され、カシャカシャと装甲を開いて行った。
「長いこと閉じ込めてゴメンよ」
現れた少女に謝罪した。まったく、美少女ばかりで目の保養になるね。
次は鋼糸で動けない者を解放してあげ、怪我をした者は医務室的なところに運んでもらった。
「なにかわかった?」
「出鱈目ってことしかわからなかった。なんで叩いただけで金属が動くんだ? ラクシャクの構造がわかるんだ?」
まったく理解出来ないって顔をするナーズ。ジージーもそんな顔してたっけ。
「これが魔法。この星の力だよ」
槌を振るい、ナーズの歪んだ骨格を整えてあげた。
「君たちが金属を使う限り、ボクの力から逃れることは出来ないんだよ」




