第76話 イレギュラー
「シャレインとは違う金属の臭いだ」
ステルス船だろうが、金属の臭いは消せてはいない。ってまあ、金属の臭いを嗅ぎ分けられるなんてボクしかいないけどね!
「ルービー1 どうした?」
おっと。通信して来ちゃったよ。味方がいるなら誤魔化せると思ったのに。
頭を鎚で叩いて意識を取り戻してあげる。もうちょっとだから誤魔化してちょうだいな。
「……ル、ルービー1 や、やられた……」
ハイ、そこまで。到着しました。
ありがたいことにハッチを開いたままにしてくれましたよ。不用心に感謝だ。
「────」
飛び込もうとしたら中からバトルスーツ的なものを纏った者が出て来てしまった。
咄嗟にキャスルを構えたが、残念。遅かったね。
タックルしてステルス船に押し込み、鎚で背骨を叩いてやった。これで動けまいて。
さすがに金属内だと臭いを嗅ぎ分けることは出来ない。てか、女の臭いがするな。サイボーグでも生物としての臭いは発生するんだね。
戦闘艇とは違い、侵入や隠密を優先したようなサイズと造りだ。プログラムを書き換えるより重要な箇所を変形させてやれば飛ぶことは出来ない。
乗員の生態情報を使ってコンソールを動かし、動力機関の場所を調べた。ふむふむ。そこね。
異常事態と察したようで、乗員が現れるが、船内でキャルスは使えない。電撃棒を構えて襲って来た。
電撃棒をつかみ、腕力で奪い取る。
「ごめんよ」
また太股に一撃を入れて黙らせた。
動力機関へと向かい、重要な回路でありながら取り換え可能な回路を破壊した。これで飛ぶことは出来なくなった。
飛び込んで来た乗員を鋼糸で拘束。バトルスーツ的なものを鎚で破壊。ご尊顔を拝ませてもらった。
「ボクはレイ。この星の原住民だよ。この船は動けなくした」
「こ、こんなことをしてただでは済まんぞ」
美人さんだよね、ジージー側って。まあ、シックスも美少年だったけどさ。
「ただでは済まない状態になっているのは君らのほうだよね。無駄な殺しはしたくないから降参してくんない? 友好で有意義な関係を結ぶためにさ」
降参するならそちらの襲撃は不問とする。だからこちらの反撃もなしにしようじゃないか。
「未開の惑星の猿と侮らないように。こちらはそちらの文明文化技術、状況をある程度把握している。把握出来るだけの知能を持っている。君らを制圧出来たのがいい証拠だろう? ただ、君らと敵対するのも有益じゃない。だから友好を結ぼうと言っている。交渉しようと言っている。未開の原住民がわかることを君らがわからないってことはないよね? それとも交渉を知らないケダモノかな?」
友好的に笑ってみせた。




