第75話 襲撃
金属の臭いが近付いて来る。
これはジージー側だな。体内に仕込まれた骨格金属の臭いが同じだ。臭いも抑えていることからしてバトルスーツ的なものを纏い、キャルスを持っているな。
臭いから八人か? 見張り役も混ぜたら十五人はいるかもしれない。
シャレインのセンサーが捉えられないところを見ると、ステルス能力のある船で来たか。なら、そうたくさん積んでいるものじゃないし、人数も多くないはずだ。仕入れた情報からジージーがいた艦は前衛艦隊。戦闘機や機動戦闘艇を載せた空母みたいなものだ。専門の戦闘員とか乗せてないはず。
それはシックス側からでもわかる。マニュアーは艦に突入するタイプだ。専門の戦闘員がたくさん乗っているなら突入するなんて考えないはずだからだ。
二人が近付き、ボクになにかを刺して電撃を食らわせた。
ハイ、これで平和的接触はなくなりました。まあ、忍び込んで来る時点で平和的接触なんぞ期待してなかったがな。
「残念。この星には電撃を防ぐ魔法があるんだよ」
棒をつかみ、首に鎚を打ち込んで動かなくさせた。
身体能力を強化するためにサイボーグ化したんだろうが、錬金鋼術士たるボクとは相性が悪かったね。金属のプロは壊すのも直すのもお手の物。さらに、ボクの筋力はジージーにも負けてなかったし、バトルスーツ的なものを纏っていても負けてないのだ。
棒を奪ってもう一人の太股を叩いてやった。棒が折れるくらいの勢いで、だ。
闇に紛れて何人かが近付いて来るのが臭いでわかり、鉄粉を撒いて鎚で着火。暗視装置を一瞬だけ無効化。チャフを撒いてやる。
宇宙戦争でチャフとかどうなんだと思うが、マニュアーにアルミ箔が収まっていた。なら、効果はあるってことだ。
「ごめんよ」
鎚を振って電撃を放つと、チャフを伝わって電気が走った。
二段攻撃に戦闘員が棒立ち。鋼糸を振って一人一人拘束して回った。
「七人か。判断が早い」
でも、その金属臭は覚えたよ。
一人が逃げたほうにダッシュ。この星で生きる人間の脚力をナメたらいかんぜよ。戦闘能力はなくとも身体能力は一般人を凌駕している。女一人でこんな山の中で生きてんだ、弱いと思うほうが間違ってんだろう。
百メートルは離れていたが、こんな山の中など走ったこともヤツに負けるほど鈍っちゃいないんだよ。
暗闇でもボクには金属の臭いがわかる。鉄棒を出して熱し、逃げるヤツの背中に投げてやった。
当たる頃には千度くらいになるが、バトルスーツ的なものを貫くには充分な威力と熱。衝撃に耐えられなくなって倒れてしまった。
「ごめんよ」
首筋に一撃を食らわせて気絶させ、よっこらしょと担いだ。
「さて。次はステルス船だ!」




