第72話 修復
生きて目覚められた。
大袈裟かもしれないが、山での暮らしは命懸け。永遠に目覚めないことも覚悟しなくちゃならないのだ。
起きたらすぐに暖炉に木をくべ、火を点けた。
鉄鍋に水を汲んで来たら火に掛けて沸騰させ、町で買ったお茶を淹れる。朝食はパンで我慢する。あーおばちゃんの料理が懐かしい。
「じゃあ、やるか」
またここで生活するのだから薪や作業場の炉に炭を追加する。
成長した雑草を刈り、小屋の回りに設置している鉄の杭を熱して回る。
一日だけでは足りず、次の日も生活を回復するために動き、三日目でやっと元の生活を取り戻せた。
朝食をパンに干し肉で済ませたら、山に落ちたシャレインのところに向かってみる。
小屋同様、シャレインの回りも雑草が伸びていた。自然とは凄いものだ。一年も放置したら緑に覆われるんじゃないか?
「除草剤や草刈り機が欲しいものだ」
鎌での作業なので、簡単に時間が消費される。あー腰が痛い。
「コーヒー飲みたいな~」
と願っても出て来るわけもなし。水で我慢する。
二日掛けてシャレインの回りの雑草を刈り取り、四方に木の杭を立て、屋根を作るとする。シックス側から見つけられたら攻撃されるかもしろないからだ。
手間ばかりだが、それがこの時代。文句を言う前に手を動かせだ。
毎日汗と泥にまみれながらシャレインを隠す屋根が完成。ついでに風呂も作っておく。小屋まで戻るのが面倒になりそうだから。そうなると竈も必要だな。とやっていたら寝床も作っていた。
「手間を増やしてばかりだな、ボクは」
だが、それがいい。生きている感じがするんだからな。
「さて。宇宙の技術を探究しますかね」
やっと再開出来る。その知識、つつがなくいただきます。
操縦席に座り、エネルギー残量を確かめる。
動力機関が壊れているので、今のシャレインはバッテリーで生きているようなもの。放電処理がされているので一月前からまったく変わってない。学習機能を五回くらい使えそうな残量しかなかった。
「これは、動力機関を先に修理したほうがいいか?」
シャレインは核動力みたいな感じで、落下の衝撃で壊れたようだ。放射能的なものも流出しているわけじゃないからそう深い傷は負ってはいないはずだ。
動力機関の情報を先に得て、バッテリーを使って装甲を開放させた。
槌で動力機関を叩いて解析。情報と音から損傷部分を探し出す。
「マニュアーとは段違いの技術だな」
一日があっと言う間に流れて行き、損傷部分を見つけ出すまで十日以上掛かってしまった。
「このギアが衝撃で変形したから動かなくなったのか」
見た目的に変わってはいないが、宇宙船なんて精密機器の塊のようなもの。ちょっとの歪みで動かなくなるのも不思議ではないな。
「ふふ。これなら修復出来そうだ」
待っててね、シャレインちゃん。




