第59話 宇宙っ子
シックスは、知識の吸収が早く、適応力が高かった。
「もしかして、だけど、体内で最適化みたいなことしてる?」
そう尋ねたら驚いた顔をした。
「なぜわかった?」
「覚えが早すぎるからだよ。体の半分はサイボーグ化してる?」
「……お前、本当になんなんだ? この星はバケモノしかいないのか……?」
ライアーズ冒険隊の面々は確かにバケモノだが、あれが普通と思われたら困る。あの人らは希だから。
「ボクは、知識があるからだよ。君らの技術力から考察しているにすぎないよ。同じ技術があるならこれと同じものを造り出しているさ」
宇宙船もいいが、マニュアーみたいなロボット的なものも乗ってみたい。どうせ転生するならジージーたちの世界に生まれたかったよ。戦争はごめんだけどさ。
「どこでだよ?」
「ここでないどこかでだよ。シックスだって自分の星がどこにあるか口で説明出来ないでしょう。夜の空を見たならね」
船内突入機とは言え、無駄に命を散らしていたら軍は衰退する。生きて帰ること前提の作戦で帰還目的の機体なら航路図のようなものはインプットされているはず。なら、星を見て調べるはずだ。
「ここは、シックスたちが戦争していた宇宙じゃない。仮に同じだとしても光の速さを超えないと辿り着くことは出来ないだろうね」
絶望的な雰囲気を纏わせた。
シックスのほうでも調べてインプットされた星図と違うと判断したなら帰還は絶望的だろうな……。
「レイ。デカいのを狩って来たぞ。川に来てくれ」
猪を狩って来たルクスさんとライアさん。狩りで生きられるな、この二人は。
「わかった。シックス、解体の仕方教えるよ。これが出来ると重宝されるよ」
川に向かうと、なかなか大きい猪だった。ボクもこれくらい入る収納の鞄が欲しいものだ。
「こ、これを食うのか?」
魚は切り身で泳いでいると思っている現代っ子か? いや、教育の敗北か?
「そうだよ。ここでは肉は狩る。麦や野菜は育てる。どこかで造られて運ばれて来るわけじゃない。戦ってばかりじゃいられないんだよ」
「……なんだか心が折れそうだ……」
現代っ子ならぬ宇宙っ子だな。
「折れている暇はないよ。生きたければ学ぶしかない。よく見て記憶させなよ」
肛門回りにナイフを突き刺して解体を始めた。
全長三メートルはありそうな大物なので、一人での解体は出来ない。ルクスさんと協力して肉を裂いて行く。
「血を口に入れたりしないように。寄生虫とかいるかもしれないからね」
寄生虫にやられて死ぬ者は結構いる。しっかりと血を抜き、肉はよく洗う。骨も肉をナイフで剃り落として念入りに洗う。
他の面々もやって来て解体を行い、暗くなる前には一通りは解体出来た。
「肉は焚き火でじっくり焼いて、骨は煮るか」
薬味や野菜も買って来てくれた。それなりには臭みが取れるだろう。前世のような繊細な味とかは求められてないしな。ボクは繊細な味を求めたいけど。




