第57話 シックス
「水、飲む?」
水筒をシックスに差し出した。
「……あ、ああ……」
相当喉が乾いていたんだろう。凄い勢いで飲み出した。
やっぱりジージーと同じでサイボーグ化されているっぽいな。同じ時期に落ちて来たのなら一月以上は過ぎている。その間、飲み食いはしてなかったんだろう。別のエネルギーで生きてたんじゃないか?
……てか、やっぱり自力で出れなかったんじゃね……。
「仲間と連絡は取れた? 君が落ちて来たのなら仲間もいるってことだよね?」
マニュアーが船内突入機なら乗せて来た船もあるってこと。重力兵器に巻き込まれて落ちて来てもなんら不思議ではないさ。
「……取れていた……」
「音信不通になった、ってことか。なら、近くにいないってことだね」
シックスのほうも宇宙に仲間はいないってことか。ハァー。変な方向に流れないことを願うよ……。
「レイ! もういいのか?」
あ、そうだった。ライアーズ冒険隊の面々がいたんだっけ。
「大丈夫だよ! 和解出来たから」
まあ、和解したかは賛否が出るところだけど。
「シックス。大人しくしててよ。まず勝ち目がないからさ。ボクに合わせて。悪いようにはしないから」
「わかった。あんなバケモノと戦いたくないからな」
洗脳教育されているわけではないっぽいな。使い捨て、とかか?
「レイ。そいつが巨石獣を操っていたヤツか?」
「そうだね。巨石獣の核にされていたっぽいよ。倒されたことで自由になれたみたい」
「核に?」
「ボクも確信があるわけじゃないが、細かい動きをさせるにはそうとうな大魔法じゃないと無理だ。大魔法をかけるより人を中に詰めるのも利に適っているよ。考えたヤツ、かなり天才だね」
槌を出してマニュアーの腿部を叩いた。いい響きだ。
「シックス。これ、ボクにちょうだい。代価として君が生きれる手伝いをするよ」
エネルギー切れではあるが、構造を知るだけでも価値はある。好奇心が疼くぜ!
「……変わっているな……」
「よく言われる。ライアスさん。食料、まだあります? もう一日ここにいたいんですよ」
雨風に晒されないよう屋根を作りたい。せめて、開いた背中を元に戻したい。シャレインを修復したら取りに来よう。
「まあ、美味いものが食えるなら構わんよ。ルクス、ライア、狩りを頼む。ジスは野営の準備を。ニアはレイを守れ。おれは町まで走って食料を買い込んで来る」
話のわかる人たちでよかった。よろしくお願いします。
「シックス。あれに使えるものはないの?」
「ない。あれは突入用だから」
やっぱりか。野郎のほうは生還するのも許されんようだ。可哀想に……。




