第50話 クルデュ(ヒュドラ)
なんか久しぶりに町に出た。てか、太陽が眩しいな。ちょっと工房に閉じ籠り過ぎたぜい。
屋台で干し肉とプリム(堅い桃)を買った。品種改良されてないから甘くもないんだよな。でもビタミンは摂らないと。
城門で町を出ることを告げると、ライアーズ冒険隊を見てすんなり通してくれた。有名人と一緒は楽でいいね。
S級的な冒険者たちだから魔物の心配もいらない。ライアさんが素早く動いて露払いをしてくれる。ボクは食べながら歩くだけだ。
何度か休憩を挟み、夕方にはライアスさんが選んだ場所へと辿り着いた。
「へー。こんなところに沼なんてあったんだ」
野球場くらいの大きさだろうか? 魔物が集まりそうな場所だと思うのはボクの気のせいかな?
「クルデュが住んでいたが、おれたちが退治した」
クルデュ? クルデュってヒュドラみたいな魔物じゃなかったっけ? そんなのが近くにいたの!? さすが辺境だよ!
「食べたんですか?」
「食べないよ。皮を剥がして、魔石を取り出したくらいだ。肉は他の魔物が食ったんじゃないか? ちょっと見に行くか」
「わたしは野営の準備をしておくわ」
「あたしも~」
女性陣は残るようだ。ボクも女だけどさ。
三百メートルくらい歩くと、クルデュらしき骨が散らばっていた。
「デケー! よく倒せたね!」
軽く十五メートルはあるんじゃね? もう怪獣だよ。ファンタジーワールド、怖いわ~!
「骨はなんかの役に立たないの?」
山刀を抜いて骨に振り下ろした。硬っ!
「どうだろうな? 探せばあるんじゃないか?」
興味なし、って感じだ。
「いくつかもらっていいかな? 使い道がないか探したいからさ」
「物好きだな。好きなだけ持って行けばいいさ」
さすがに好きなだけ持って行くことは出来ないので担げるサイズのものを持って帰ることにする。
「うん? 首を斬ったの?」
スパッ! と斬れた骨があった。首の骨だよね、これ?
「ああ。動きが速くて角度を決めるのに苦労したものだ」
「こういうのは雷でも食らわせてやればいいんじゃない。筋肉が収縮して動きが鈍るだろうからね。雷神鳥の魔石があれば雷を纏わせることが出来るよ。親父の二番目の作品がそれだったよ」
それも調べたかったが、手元にないものは解析出来ない。いつか叩いてみたいものだ。
「レイは作れるのか?」
「作れるとは思うよ。魔力の流れをどうにかするのに手間取ると思う」
雷神鳥の魔石は触ったことがある。あれならなんとか出来る自信はある。
「そうか。雷神鳥を狩ったら頼みに来るよ」
雷神鳥もかなり高位な魔物なんだが、まあ、ライアーズ冒険隊なら問題なさそうだな。




