第49話 試し斬りへ
「そんな戦い方も考えたことはある。が、おれたちのような上位冒険者となると大型魔物の討伐を頼まれることが多くなる。そうなると一撃を耐えられる防御力が必要となるのさ。雑魚はルクスとライアに任せればあっと言う間だからな」
ルクスさんが軽戦士でライアさんが弓士のようだ。
ついでに重戦士がジスさん。魔法使いがニアレスさんってことだ。
「強くなると依頼も限られてくるってことなんだね」
「まーな。こうして武具の手入れにも金が掛かる。安い仕事は受けられなくなるのさ」
強いなら強いなりの苦労があるってことか。ほんと、冒険者も大変だ。
「腰から抜くのが問題ないのなら背中に装着したときの試しをしようか。外に出れる?」
外とは城壁の外って意味だ。一撃必殺を町の中で放つわけにもいかんからな。やったら追放されるわ。
「あ、そこの巨石獣の腕も運んでくれる? 次は刃が欠けることなく斬れるから」
そのまま解析したいところだが、マニュアーは敵側の兵器。解析したところでシャレインに適用されるわけでもない。金属の塊として扱うことにする。
「一泊になるか?」
「そうだね。音が町に届いても困るし。あ、巨石獣って、町の近くにいたの?」
「二日くらい歩いたところだ。グランダルクに向かっていたから戦うことにしたのだ」
グランダルクに? え? もう入られている?
入られているならかなり臨機応変に物事を考えられる者だし、外で生きているのなら野生化しているかもしれないな。
「じゃあ、半日歩いたところにして、明日、試し斬りしようか。すぐに二日分の食料を用意するよ」
「食料ならおれたちが用意してある。任せろ。水もお前が作った水筒があるからな」
「じゃあ、お願いするかな。巨石獣の腕も運べる?」
「問題ない。ジスの収納の鞄に入れてくれ」
「わかった」
腕が入るくらいの袋を出して巨石獣の腕を収納してしまった。狩り用のものか? ボクも欲しいな、それ。
「準備してくるよ」
お風呂に入りたいところだが、試し斬りも早くやりたい。ここは我慢しよう。
部屋に向かうと、ジージーたちはいない。依頼に出たかな? 敵側と出会ってなければいいんだけど。
旅用の服に着替え、一応、三日分の下着と収納の鉄箱を普通の鞄に詰め込んだ。収納の鞄はロレソンたちに貸してます。
「おばちゃ、パンをもらうね!」
部屋を出たら食堂に向かい、テーブルに出ている堅パンを布で包んで袋に入れた。屋台で干し肉を買えば朝食になるだろう。
「お待たせ。行こうか」
職人たちに試し斬りに出掛けると伝え、ライアーズ冒険隊の面々と出発した。




