第46話 打姫
集中したら周りが見えなくなる。それがボク。錬金鋼術士の魂ってものよ。
「ふー。完了っと」
いい感じに刃こぼれは直り、あとは研げばバッチグーだ。
やはりバルカリア金属は並みの砥石で研ぐのは大変だ。昼までに終わるかな?
一心不乱に研ぎ、なんとかいい状態に出来た。
「うん。我ながら完璧な仕上がりだ」
持ってみて太陽の光を当てて刃を確かめた。
「本当に五日で修繕したんだな」
声がして振り向いたらライアーズ冒険隊の面々がいた。全然気が付かなかったよ。
「ずっといたの?」
「朝からな。まったく、どんな集中力をしているんだか。打姫とはよく言ったものだ」
職人たちだな。変なあだ名を教えたのは。まったく、もっとカッコいい二つ名にして欲しかったよ。
「具合を見てよ」
打姫なんてあだ名の話はしたくないので魔剣をライアスさんに渡した。
「質量はそれほど減ってはいないが、それでも変化は出ている。調整出来そう?」
剣士の剣は体の一部。一心同体なものの重さが変われば勘も腕も狂うはずだ。
何度か振ると、剣を掲げて固まってしまった。
「……まあ、悪くはない。何度か使えば調整は可能だ」
それはなにより。なるべく重心を変えずに金属を移動させた。まったく、バルカリアは強敵だったよ。
「よかった。次は鞘の製作だ。夜には試作を作るよ」
「休まなくていいのか?」
「夜に一回休むよ」
でも、腹拵えはしておくか。魔力も使うしな。
おばちゃんが作ってくれていた料理をいただき、体を洗ってさっぱりさせた。
鉄と真鍮、銀を使って試作品を作ってみた。
出来たら剣を鞘に収めたら調整。夜までには完成させた。
「普段は腰に差して、技を放つときは背中に移動させて」
鎧も改造して鞘が固定させるようにした。
「これだと抜けないぞ」
「そこはもう一工夫させるよ。鞘の位置はどうだい? 一撃必殺の技となるからね。位置がしっくりこないと頃合いを見失う。狂いは許されない」
「一撃必殺か。いい言葉だな」
「必殺技の名前でも考えておきなよ。巨石獣を一刀両断出来るからさ」
技に名前を付けてこそ完成される。よー知らんけど。
「必殺技の名前か。いいな、それ」
理解ある男でなによりだ。いい名前を付けてくれよ。
「明日の朝までは完成させるよ」
完成図は頭の中に入っている。一晩で完成させるさ。
前世で観たアニメから着想を得て、魔力を刃に纏わせる。硬く、鋭く、重い一撃。マニュアーでも両断出来る。そそるわ~! これぞファンタジーってものだ。やったるで~!
槌を振り上げ、鞘を作り出した。




