第40話 ライアーズ冒険隊
リオルームの魔石では十個も作れなかった。
「九個か~。十五は行けると思ったんだけどな~。思いの外、魔力を消費しちゃったよ」
魔光炉が悪いのか槌が悪いのか。はたまたその両方が悪いのか。熟練度が足りないってことだろうな~。まだまだ修業が足りないってことだ。
「魔石って、グランダルクで手に入れられたっけ?」
ボクは魔力があるので魔石の力を借りなくて済む。なので、魔石があるかも、いくらなのかもざっくりしか知らないんだよね。
「まあ、手には入れられますが、リオルームほどになると、どうだか……」
だよね~。リオルーム自体が難易度が高い魔物だし。狩れるヤツはそんなにいないだろうよ。
「まあ、小さい魔石でも魔力は魔力。変換さえ出来たら問題ないさ」
多少なりとも変換率が低くなるかもだけど、リオルームの魔石を使用しなくても他の魔石でも供給出来るようにするか。
工房にある魔石を使わせてもらって魔光炉を調整させた。
「ふー。やっぱ魔光炉は難しいわ」
魔石を全部使っても調整が上手くいかない。これは根本的に間違っているのかもしれないな~。
「もっと実家の魔光炉を解析しておくんだったよ」
一から創るとなると何十年と掛かる。なにかを創るというのは研究に次ぐ研究と試行錯誤の連続。解析したほうが早いのだ。まあ、職人としては失格だけどね。
「何個出来た?」
「二十個だ。十ばかり防具屋に卸してみるよ」
「いくらにするか決めたの?」
「魔石の値段と通常魔光炉の制作費、手間賃で一つ金貨二枚にしたよ」
金貨二枚か。それに防具屋での儲けを足したら中堅以上の冒険者でないと買えないんじゃないか? 十リットルの水を持ち歩けるのは魅力だとは思うけどさ。
卸しに出た職人さんが五分後に金貨三十枚を持ち帰った。え? なんかウラシマ効果でも発生した? いや、計算が間違ってない? 計算出来ない人? いや、増やして来たんだから優秀か。どうなってんの!?
「工房を出たらライアーズって冒険隊に声を掛けられて、水筒の話をしたらが金貨三十枚で買ってくれた」
「ライアーズ? 超有名な冒険隊じゃないか! なんで辺境なんかに来てるのさ!」
王都でも名の知れた冒険隊。ランクとかはないが、仮にあったらS級だ。魔王がいたら王様から依頼されるレベルだろうよ。
そんな冒険隊が辺境に来るなんて世界の、いや、町に危機でも迫ってんの?! 勘弁して欲しいんだけど!
「それと、剣を見て欲しいそうだ。お嬢、頼んでいいか? 魔剣を見れるのはお嬢と親方しかいないんでな」
工房に魔力量の多い五人が入って来た。




