第29話 新米コンビ
買い物をするのも久しぶりだ。
「まずは防具だね。無防備っての怪しまれるからさ」
達人とかなら身軽でも理解されるが、見た目がいいジージーでは少し厳つい格好のほうがいいと思う。初心者狩りってのもあるみたいだからな。
防具屋に行ったことはないが、この町で作っているもの。流れる先はわかっている。迷わず向かうと、少女二人組の新米冒険者がいた。珍しいこと。
ボクらと同じ歳かな? 戦士と魔法使いのよくあるコンビだ。
「どうする? なんか高そうじゃない?」
「でも、革鎧は買っておくべきだって」
新米だから防具に予算を掛けられないようだ。たまに見る光景だな~。
「こんにちは。新米さんかい?」
二人に声を掛けたらびっくりされてしまった。
「え、ええ。そうよ」
「なにかよう?」
戦士より魔法使いの子のほうが気が強そうだ。
「ボクたちも防具を買いに来たんだ。もし、相談に乗ってくれたら防具の一部を出してもいいよ。こっちの子も冒険者になったばかりで同じ歳の子からの教えだと助かるんだ」
二人組かはわからないが、新米ならありがたい。ジージーと一緒に組んでもらえないか交渉しましょうかね。
「いくら出してくれるの?」
「胸当てならボクが作ってあげるよ。ボク、錬金鋼術士だから薄くて丈夫な胸当てを作ってあげられるよ。なんなら剣も打ち直してあげる。今の倍は強度を与えられるよ」
それが錬金鋼術士なんですよ。
「ほんと?」
「ほんとほんと。この剣もボクが打ったものだからね」
ジージーが差す黒鉄の剣を抜いて戦士のほうに見せた。
「重っ!? こんなの使ってんの?!」
やっぱり重いよね。君、持てているだけで立派だよ。
「重いけど、切れ味は最高。君の剣も切れ味よくするよ」
ボク、研ぎも出来る。いい感じにするよ。
「ど、どうする?」
戦士のほうが魔法使いのほうに耳打ちする。やっぱり魔法使いのほうがイニシアチブを握っているようだ。
「まあ、いいんじゃない。お金ないし、悪いヤツじゃなさそうだし」
「あ、ボクはレイ。錬金鋼術士。こっちはジージー。新米冒険者だ」
「アタシはロレンソ」
「わたしはランジンよ」
戦士がロレンソで魔法使いがランジンか。姓を名乗らないところを見ると、家をとびだして来たのかな? ボクもだけど、隊商に乗せてもらってこのグランダルクまでやって来る新米冒険者がいるのだ。
「よろしく」
ジージーの腕を突っ突く。コミュニケーションを取りなさいって。
「よ、よろしく」
コミュ症か。まったく、ボクが間に入らないとダメっぽいな……。




