第25話 冒険者組合
「まずは冒険者組合に行こうか」
ファンタジーに付きものな冒険者組合。魔物がいる世界では必要とされる仕事である。
貧困者のセーフティーネットみたいなもので、国ごとに運営されている一大組織だ。さすがに高度な技術で運営はされてないが、魔法による通信とかは出来ちゃったりするみたい。情報のやり取りはそこそこ行われているんじゃないかな? ボクは冒険者登録してないから詳しくは知らないんすわ。
「わたしでも登録出来るの?」
「全然大丈夫。名前を書いて登録札をもらうだけだから。お金も掛からないよ」
試験もないし、講習もない。来る者拒まず、死んだ者はご愁傷様。税金は報酬から引かれる。なかなかブラックなところだ。入ろうとはまったく思わないよ。
入町札を門番に見せて町の中に入った。
「予想はしていたけど、清潔とか無縁のところね。レイのところがどれだけ清浄か痛感させられたわ」
「ボクも町が綺麗なら住みたかったんだけどね。これなら山の中で暮らしたほうがいいって飛び出したんだ」
「凄い納得。わたしもそうするわ」
臭いを遮断出来ないようで、手のひらで口と鼻を塞いでいた。
「まあ、町はお金があればそれなりに生きられる。仕事をしてお金を稼げばそれなりに暮らせるよ。ジージーなら魔物退治もそう難しくないだろうからね」
「魔物退治、か~。戦うのはいいけど、血や内臓が飛び出すのは嫌だな~」
戦うことに忌避がないとはさすが兵士。未来の洗脳は恐ろしいわ~。
辺境の町でも人は多く、道を往来しているのも多い。主な産業は鉱山から取れる鉄や銅。それを加工する工房。そこで働く人々の胃を支えるための農業と、仕事は多岐に渡り、町を守る冒険者もそれなりにいる。
「凄い人ね」
冒険者組合の前まで来ると、いろんな冒険者が、いや、今の時間なら町中で仕事をする冒険者(日雇い)か。正社員とかないから、必要なときに人を集める。ここではそれが主な働き方だろうね。もちろん、工房や店は違うけどね。
「確か、登録場所は……あ、あそこだ」
毎日登録しに来るわけでもないので、名前を告げて、羊皮紙に名前を書いたら登録完了。冒険者である札をもらったら冒険者を名乗れて、仕事が出来るようになる。
「……本当にあっさりしたものなのね……」
夢も希望もない冒険者登録。ほんと、絵にならないよね~。
「まあ、今日は登録が目的。仕事は明日からにして泊まれるところを探そうか」
仕事よりなにより滞在する場所を確保するほうが大切だ。女二人が安全に寝泊まり出来るところはなかなかないからな。
とは言え、無策で町に来たわけではない。数少ない伝手を頼るとしましょうかね。




