第24話 入町料
「ありがとうございました!」
城門前で降り、馬車を見送った。
「なぜ降りたの?」
「町に入るには登録や入町料を払う必要があるんだよ」
辺境は危険なところだ。安全な城壁内で暮らすにはお金、税金が掛かるのだ。
「大体の城壁に囲まれた町に入るにはお金が掛かる。周辺の村は野菜を売るために場所代を払うからあのまま入れるんだよ。手伝いとして入れないこともないが、出るときも調べられるから登録と入町料を払ったほうがいいね」
「払えないとどうなるの?」
「入れないだけ。町の外にある宿屋を利用するしかないね。まあ、借りるくらいなら森で野宿したほうが安全だよ。女一人だと悪さしてくるヤツがいるからさ」
「だからレイは男のような格好をしているのね」
「いや、単純にこの格好が楽だからだよ」
乙女心とか前世に置いて来たからか、中性的な顔立ちで胸もない。少年として見られることが多かったよ。
「ジージーはよくボクが女だってわかったね」
てか、下手したら殺されていたのか、ボク?
「生体反応ですぐにわかったわ」
へー。そういう能力(機能か?)もあるんだ。凄いな。
「あそこが支所だよ。こっちは周辺の村の者が使うだけだから小さいんだ。看板もないしね」
役人も一人。下手したらいないってこともある。そんなに利用する人もいないんでね。いなければ南門に行けばいいだけだし。
「おじさん、おはようございま~す。入町をお願いしま~す」
今日はいたようで、カウンターの奥でタバコを吸っていた。
「おー久しぶり。元気にしてたか?」
「うん。元気元気。でも、町の料理が恋しいよ。山だと碌なもんが食べられないからね」
なんてやり取りを何回したか。まあ、挨拶みたいなものよ。
「今日はこの子のもお願いします。仲間とはぐれちゃったみたいなんですよ」
「あー。あちらこちらで星が落ちて山火事になっているみたいだな。冒険者たちにも被害が出ているよ」
星が落ちた? 残骸が落ちているの?
「酷いんですか?」
「ロンダク平原からサンバリング山脈に落ちたのが酷いようだ」
朝早く出たら暗くなる前に着ける距離だったはず。
「町に被害がないのが救いですね」
「そうだな。辺境はなにかと危険なことばかりだからな」
おじさんと世間話をしたら入町料を払った。一人銅貨三枚。地味に痛い金額なんだよね。銅貨一枚でフランスパンみたいなのが一つ買えるし。
「町から出たらまた銅貨三枚払わないといけなくなるから注意だよ」
「その銅貨はどうやったら手に入るの?」
「仕事するしかないね」
町の中で鍋を叩いて稼ぐとしよう。儲けはしないが、仕事には困らない。滞在費は充分稼げるのさ。




