第18話 里の村
無事、朝を迎えれた。ふわぁ~。眠っ。
徹夜は何度もしたけど、旅の途中では一時間でも眠っておくべきだったな。
ジージーは朝までぐっすりだ。まだまだ一人で生きて行くのは無理そうだ。
「……朝!?」
ガバッと起きるジージー。しくじったことに気が付いてボクを見た。
「ごめんなさい! 思いっきり眠っちゃったわ」
「これも勉強。次に活かしてよ。ボクは少し眠らせてもらうから。陽が完全に昇ったら起こして」
そう言って一秒でお休みなさい。すぐに起こされた。
「……ありがとう。食事はした?」
「ええ。クルーミーを一匹食べたわ」
朝から大食漢だね~。ボクはパンと水だけで済ませ、出発した。
「今日は暗くなるまで歩くよ。ここを抜けたら魔物も出なくなるから」
危険なのはここら辺だけ。それをすぎたら危険度は一気に下がる。里の村まで進めたら炭焼き小屋に泊まらしてもらえるだろうよ。
途中、グレゴブの群れに遭遇したが、ジージーに瞬殺されて歩みを止めることもなく、夕方には里の村に辿り着けた。
「……男もいるのね……」
そりゃいるでしょう。なんならオカマもいるよ。
「大丈夫だよ。皆親切だから」
この里の村には何度もお世話になっているので警戒されることもなし。いつものように村長宅に泊めてもらうことにした。
「無事生きていてなによりだ」
「ありがとうございます。これ、村で食べてください。途中、リオルームを狩ったのでお裾分けです」
こうして見返りを受けるためにもいろいろと差し出しているのだ。
「いつも悪いね。あと、鍋の穴を塞いでもらえるか? レイが来たらお願いして欲しいと恃まれておるんだよ」
「大丈夫ですよ。斧も叩いておきますか?」
「それは助かる。前回打った効力もなくなってきたからな」
錬金鋼術士の仕事じゃないけど、村人の好感度を高めるためにも鍛冶屋みたいなこともやっているのだ。
「明日、朝からやりますね。今日はゆっくり休ませてください」
「ああ。風呂も用意しよう」
「ありがとうございます!」
風呂に入る文化はないが、ボクが村長宅に作ったので、たまに入るようになった。ボクが来たときはいつも焚いてくれるのだ。コミュニケーションは大事ってよくわかるよ。
「さあ、食事にしましょうか」
村長の奥さんが鍋を台所から運んで来た。
久しぶりの手料理であり、母親の味。まあ、実の母親は料理はしなかったから母親の味もないんだけどね。
「これを楽しみにしてました!」
「ふふ。たくさんあるからたんとお食べ」
もちろんです! このために質素な食事で我慢してきたんだから! さあ、いっぱい食べるぞ~!




