第13話 唐揚げ
「美味しいじゃない!」
そうでしょうそうでしょう。ボクの焼き加減を讃えるがよい。
「町ではもっと美味しいクルーミーの料理があるよ。銅貨五枚くらいで食べれたかな?」
冒険者次第なので時価だがな。
「もっと食べたいわ。これだけじゃ足りないよ……」
クルーミーは三、四キロはある。捌いても二キロはある。それを一人で食べ尽くした。その胃はすぐ消化してエネルギーに変えるのか?
「まあ、クルーミーはどこにでもいるもの。すぐ狩れるよ」
「たくさん狩るわ!」
そのやる気やよし。なんて微笑ましい思いでいたら、根絶やしにする勢いでクルーミーを狩ってしまった。
「そのくらいにしておきな~」
もう捌くのも追い付かない。周辺の土がどす黒くなってるよ。
百匹も狩るとさすがにクルーミーたちも種の危険だと逃げ出したんだろう。狩ることも出来ず、ジージーの熱を冷ましてくれた。
「収納の鞄に入れて。続きは家に帰ってからにしようか」
さすがに捌くのも飽きたし、オレもたっぷりと肉が食いたい。最初に狩ったクルーミーはジージーの胃袋に消えてしまったからな。
収納の鞄に収めたら家に帰った。
「レイ。わたしに解体を教えて」
「いいよ。油がまだあったから唐揚げを作ろうか」
「カラアゲ?」
「料理名だよ。きっと気に入ると思うよ」
醤油がないのが悲しいが、塩と胡椒、どぶろく(米が採れるファンタジーです)で漬けて揚げれば結構美味い。クルーミーを狩れないので油もどぶろくもそんなにないんですよ。
家に帰ったら早速クルーミーを解体。一口サイズに捌いて塩胡椒を擦り込ませてどぶろくに漬けた。
ついでなので串に肉を刺して炭火でじっくり焼くとする。明日、野菜スープに入れて食べるとしよう。
どぶろくに漬けた肉を取り出し、小麦粉に付けて油で揚げる。前に食べたときの記憶が蘇る。今回は飽きるほど食えそうだ。町に行ったら米を買おうっと。高いけど。
「……わ、わかんないけど、わたしの原始的な食欲がこれは美味しいものだと言っているわ……」
野生が目覚めでもしたか?
「それはよかった。たくさん、はないけど、まあ、いただこうか」
ちゃんとボクの分も残してよ。食べ物の恨みは恐ろしいんだからさ。
「美味しい~! こんな美味しいものがあったのね!」
宇宙の食生活はそんなによくないようだ。ちょっと考え直さないといかんな。美味いものがない世界には行きたくないし。
「もっと落ち着いて食べなよ」
わんぱくか。てか、聞いちゃいないか。まったく、困ったジージーだよ。
すべてを食べられる前に自分の皿へと唐揚げを乗せた。




