第127話 弟子のロガル
「変わった形だな?」
弟子のおにーさん、ロガルさんに日本刀モドキを渡した。
「重いな」
「その分、折れ難くなっている。柔らかい芯を硬い金属で覆い、折れず、曲がらず、よく斬れるを体現させたもの。まあ、軽さまではどうにも出来なかったから要修業だね」
そこは技術というか工業力ではなかろうか? 人力でやるには修業に次ぐ修業が必要なんだと思う。
「折れず、曲がらず、よく斬れる、か。おもしろいな」
「ボクの腕では真似したくらいさ。それに一生を賭けた職人には見せられたものじゃない。いつか自慢の一本を作り出したいものだ」
刀鍛冶を目指しているわけじゃないが、金属の完成形を創り出してみたい。まあ、それがどんなものかはわからんのだけれどね。模索中ってわけよ。
「まあ、一生を賭けた職人には勝てないが、並みの魔剣に負けないだけの強度はある。巨石獣でも角度と間合いがいいなら絶対に斬れる。それで剣が折れたらボクが未熟。斬れないのなら持ち手が未熟だ」
これは、ボクと持ち手の真剣勝負と言っていいだろうよ。
「おもしろい。その勝負、受けて立とうじゃないか」
ボクの真意がわかったようで、ロガルさんが不敵に笑った。
新たに試し斬り用の人形を用意する。次はもっと硬い鉄の棒を仕込んでおくとしよう。
「はい、どうぞ」
師匠と同じく静かだ。気配がなさすぎて風景に解けてしまいそうに見える。
ボクは剣術方面に強くないが、剣を打っているものとして剣を握る姿からわかることはある。てか、まだボクが理解出来る範囲にいる人だ。剣聖なんて構えてたら試し斬り用の人形を斬っていたからな。
それでも遥か上の領域にいる人。鞘から抜いたところが辛うじてみえただけ。次の瞬間には人形が水平方向に斬れていた。
……どっちもバケモノやん……。
「いい! とてもいい! これならアギューの首でも斬れそうだ」
アギューがなんなのか知らないが、あんたの腕に掛かれば大抵のものは斬っちゃうよ……。
「これをいただいてもいいのか?」
「どうぞどうぞ。それを使える人は少ないだろうからね」
実用性無視で作ったもの。持ってる人がいるならどうぞお持ち帰りくださいだ。
「お金もいいよ。売れるものじゃないからね」
いいとこ壁の飾りになるくらいだろう。金属もタダだしね。
「いや、ただではもらえん。これで譲ってくれ」
と、ナルゼさんが指輪を出した。
「魔力を増幅する指輪だ。大賢者ロストラが創ったものだ」
………………。
…………。
……。
はぁ? 大賢者ロストラ? 超有名な人じゃん! 前世で言うならアインシュタインレベルの人だぞ!




