第126話 はぁ?
「いいよ。任せて」
と、承諾した。
「ちょうど剣を打ったところだから使ってみてよ。まあ、魔石がないから黒姫は作れないが、光は弾けるよ」
戦艦の装甲に使われていたもの。金属を何重にも重ねたパイ構造のものを混ぜたから強度はかなり落ちたが、マニュアーのビームだかレーザーでは貫くことは出来ない。ライアスさんくらいの腕なら装甲を破壊するくらいは出来るだろうよ。
打った剣を二人に渡した。
「試し斬りしてみるかい?」
「ああ、頼む」
ってことなので今日は休んでもらい、次の日の朝に試し斬り用の人形を用意する。木で作ったものだが、芯に鉄の棒を仕込んである。斬れ味を確かめるにはちょうどいいだろう。
「強度は黒剣の約三倍。ライアスさんの剣にも負けてないと思うよ」
それだけ打つのに手間は掛かったけど。やっぱ、宇宙の金属は純粋な金属じゃないから言うことを聞かせるのは大変なんだよ。まあ、それだけやり甲斐はあるんだけどさ。
四十手前くらいのおじさんが先にやるようで、何度も剣を振って具合を確かめている。てか、この人も腕がありそうだな。八キロはある剣を余裕で振っているよ。この世界の人間、やっぱ身体的に異常だわ。
って、ボクが言えた義理じゃないけどね。十五キロの剣を振ってるし。
「よし!」
剣の具合に慣れたようで上段に構えると、なんのモーションもなく試し斬り用の人形を斬っていた。はぁ? ボク、意識失ってた?
「いい。これはいい剣だ」
「え? なに? 今、どうやったの? まったく見えなかったんだけど!」
いやいやいや! なんなの!? なにが起こったんだ? まったく理解出来ないんだけど!
「ナルゼは剣聖だ」
「剣聖? 剣聖!? マジで?!」
物語や劇で名を聞いたことはあるが、本当にいるものだったの? マジびっくりなんだけど!
「この国にはない称号だからな、レイが知らなくても当然だ。おれもナルゼと出会うまで空想の存在だと思っていたくらいだ」
だよね~。錬金鋼術士の家系にいて知らないなんてあり得ないからな。
「おじさん、剣聖なんだ~」
そう言われるとそう見えてくる不思議。いや、強いなとはわかっていたけどさ。
「じゃあ、そっちのおにーさんも剣聖なの?」
ライアスさんくらいの年代で、佇まいに隙がない。気配も薄い。これは強者の風格だ。
「いや、おれは弟子だ」
あ、弟子なんだ。さすがに剣聖が二人もいないか。
「まあ、腕は立ちそうだし、おにーさんにも渡すよ。趣味で作ったものだけどさ」
やっぱり一度は打ってみたい日本刀──モドキ。これも宇宙金属なので五キロくらいある。並みの者には扱えないものだ。
「ちょっと持って来るよ」
そう言って家に戻った。




