第118話 久しぶりの我が家
とりあえず、ボクの役目は果たされた。
「ジージー。ボクは一旦帰るよ。もう長いこと工房に顔を見せてないからね」
宇宙は一回見たし、これからシャレインで帰ればまた宇宙は見れる。感動は一回で充分だ。
「それなら何人か連れてってよ。物資補給しないといけないしね」
ジールがそんなことを言ってきた。
なんでもジールたちは総合整備班と呼ばれ、万能タイプが集められた班が地上に残されたのだ。
「じゃあ、改造したシャレインを三艇で行こうか。何人連れてっていいんだ?」
「まずは戦闘が出来る者を四人。工作班の者を五人でどうかな?」
「うん。それでいいよ。ロレンソとランジンは残ってくれる? 野外に長けた者がいたほうが皆も安心するからね」
「了解」
「わかったわ」
「シャトル──ハジールを一つ持って行けないかな? 輸送用にあると便利だと思うんだよね」
「時間は掛かると思うけど、二機は運べると思う」
「じゃあ、お願い」
ワイヤーでハジールを吊るし、まずはボクとジージーで先行することに。山の家にシャレインを置けば、宇宙から誘導出来るそうだ。
ジージーに操縦してもらい、ボクはそれを見せてもらう。
やはり二度目の宇宙はそれほど感動なものではなかった。ただ、大気圏突入はおもしろいな。モニター越しとは言え、迫力が伝わって来る。
一人乗りを二人乗りにしてくれたのはいいんだが、縦ではなく横にして欲しかった。ジージーの頭で全体が見れないよ。
シートベルトをしているので立ち上がることも出来ない。次は前に乗せてもらうとしよう。
大気層を突破し、緑が広がった。
内陸部なのはわかっていたが、海までかなり遠いな。シャレインなら一瞬だろうけど。
「家に誰かいるか調べて」
「オッケー」
ボクが頻繁に使っていたからか、アルレシアの中でオッケーが流行って、ジージーは普通に使っているよ。
山の家の周辺を旋回する。
「熱反応はなし。誰か来た足跡はあったよ」
もう一月、いや、二月か? いつもだったら町に行っている頃だ。ハジールが来たら町に行ってみるとしよう。
「裏山に着陸して」
二月以上なので草木が生えていたが、微レーザーで焼き払い、静かに着陸した。
「アルレシアにマニュアーみたいなのないの?」
「船外作業艇くらいしかないよ。マニュアーなんて艦に近付かないと役に立たないものだしね」
なら、ルクセルに接触して一機いただこうかな。あちらの船も地上に落ちたっぽいからな。宇宙には全壊した船があったようだよ。
シャレインから降りると、鉄鉱石の臭い風に乗って鼻をくすぐった。
「懐かしい臭いだ」
帰って来たって思えるよ。
「ボクは家を見て来るから誘導をお願い」
発信機を持って来たのでジージーに任せ、ボクは山を下りた。




