第111話 ハール1
長いこと歩いて作戦室にやっとこさ到着出来た。ふー。
「結構集まっているね」
第六戦闘位と思われるのが二十人くらいおり、一人だけ豪華な椅子に座っていた。もしかして、あの人が医療班のハールなのか?
あまり、いや、かなり不本意な顔をしている。位が高いのも大変だ。
「では、始めましょうか」
ジーニーが仕切るようだ。そこは年齢か? ジーニーより歳上っぽいのはハールくらいだ。三十代に見える。
「レイ。説明してくれるか?」
まずボクからかい。まあ、いいけどさ。
皆の目が集まる中、食堂での説明を披露した。
なにを言っているかわからないのは兵士か? 整備班はボクのことを知っているようで理不尽そうな顔をしていた。
まあ、槌一つで金属が修正されるとか意味わからんだろうよ。近くで見ていた子も眉をしかめていたからね。
「正直、戻れるかはわからない。何年かかるるかもわからない。ただ、可能性がある、ってだけさ。その可能性に賭けるかどうかは君たちが決めてくれ」
「ハール。どう思う?」
「どう思うもないわ。命令がないのならここで待機か、こちらから向かうしかないでしょう」
「だから待機するか向かうを決めようとしているんだろう!」
もう何回もやったやり取りなんだろう。指揮能力がなく命令権もない上位者と、命令でしか動けない下位者。グージーが末期なのか組織として杜撰なのか、まあ、どっちもなんだろうな。
「ハイハイ。それまで」
いい加減、見るに堪えないので割って入った。こんなのいつまでも見てられんわ!
「ジーニーたち整備班は、アルレシアの修復を進める。ハールは、シャレインや操作系の知識がある者たちはアルレシアを飛ばす訓練をする。戦闘兵は食料調達と警備。まずはそれでどう?」
皆で決めてと言ったが、これはダメだ。永遠に言い争いそうだ。先にボクの精神が終わりそうだわ。
「わたしは構わない」
「まあ、構わないわ」
「反重力炉を直したらボクはハールの補佐に入る。それなら第四位が二人になる。もし、違反となるならボクの責任にしたらいい。艦長の命令は解かれていない。なら、すべての責任は艦長に帰結する。皆はその命令に従った。それなら皆が罰せられることもないだろう?」
皆は罰が恐いのだろうが、ボクはグージーの兵士ではない。罰せられる理由がない。異星人を臨時徴用する決まりもないだろうからな。すべては艦長の判断であり責任だ。
「これは非常事態である! 我らは本隊復帰を優先とする!」
そう強く言うと、全員が背筋を伸ばした。やっぱ、敬礼がないと締まらないよな。
「各自、与えられた役目をまっとうせよ!」
そう言ってボクも背筋を伸ばして敬礼してみせた。




