第11話 グレゴブ(ロック)
「……鳥? あれ、鳥なの!?」
信じられないって顔になるジージー。まあ、わからないではない。ファンタジーなワールドに生息する鳥だ。ただの鳥なわけがない。
「クルーミーって魔鳥だね」
ウサギのような体に翼を生やしたような生き物だ。前世の記憶があるからボクも最初は戸惑ったものだ。
「美味いから結構人気がある魔鳥だね。ただ、すばしっこいから狩るのは大変なんだよ」
オレもまだ三羽しか狩ったことがない。労力を考えたら買ったほうが安いかもな。
「次現れたら狙ってみるといいよ」
さすがのジージーでも最初は無理だろう──と思っていたらそうでもなかった。矢をセットしたら構えて発射。矢が草むらに消えた。
「え、なに?」
「草むらにクルーミーがいたわ」
オレにはまったくわからない。視力よすぎ!
草むらに向かうと、確かに首に矢が刺さったクルーミーが事切れていた。マジか!
「凄いね。もう一流の狩人だよ」
マジスゲー。これなら五匹くらい狩れそうだ。
「まずは血抜きをしようか」
ナイフを抜いて首を切り、紐を使って木に吊るした。
「こうしてしばらく吊るしたら血が抜ける。皮を剥いで内臓を取り出したら水で洗う。まあ、そのまま収納の鞄に入れて帰ってから捌くってのでもいいよ。ここだと血の臭いに釣られて肉食の魔物が集まって来るからね」
「それをわざとやるってことは誘き寄せるのね」
「まーね。狩りを経験することが目的だから。時間を掛ける必要なし。あちらから来てもらうじゃないか」
まあ、クルーミー一匹で集まって来るような魔物である。そう強いものではない。
「レイ。集まって来る熱源があるわ」
熱源? 赤外線センサーでも搭載されてんの? ボクが考えるよりサイボーグ?
「小さい? それとも大きい?」
「わたしの半分くらい。人型。数は六だ」
「なら、グレゴブだね。人型魔物でこの星によくいる害獣だ。女性や子供を襲ったりもするから人間には嫌悪されているよ。クルーミーってよりジージーが目的で集まって来たのかもね」
「気持ち悪っ!」
転生前の年齢がバレそうだが、見た目が水をかけられたあとのバケモノにそっくり。ボクはグレゴブと呼んでいるよ。正式名は、ロックです。
「そこまで強くはないけど、群れで狩りをするヤツらだ。たまに隠れているヤツもいるから要注意だ」
「うん。二匹、隠れているわ」
サイボーグGG。なんかのアニメになりそうだ。
「一人でやってみる? 下手にボクが手を出すより一人でやってみたほうが自由に動けそうだし」
ボクもそこそこ戦える実力はありますから。
「ええ、そうするわ」
と言うのでその場から下がって木の陰に隠れた。




