第105話 ファンタジーパワー
とは言え、SFも負けてはいない。ボクの魔力を全開にしてもプラズマくん(仮)は手強いじゃな~い。速攻で決めないと消し炭になってしまう。
上が裏切るかとは頭の隅にあった。
ただ、その裏切りがなんなのかまではわからないので、整備班がいるのに強硬した場合に備えて雷管口に仕掛けを施していた。
雷管には緊急停止装置が組み込まれているのはわかっている。無理に回ろうとすると、オーバーヒートを起こしてしまうのだ。
それは艦橋からの命令でオフにすることは出来ない。出来たら船は爆発してしまうからだ。
全力で走り、プラズマくんが襲って来る。さすがに魔法でも一、二回防ぐのがやっと。逆にプラズマを防げていることのほうが間違っているんだよ! 死ぬんだよ、普通に!
最初から近付けるとは思ってないので、魔力の道は築いてある。雷管口から五メートルのところの床を叩いた。
溜めていた魔力が弾け、雷管口に流れて口の表面を歪ませた。
表面は金属でなくセラミックみたいなものたくさん並べられているが、底は金属なので簡単に歪ませることが出来るのだ。セラミックみたいなものはフリゴ(3Dプリンター)で造れるので問題なし!
警報音が鳴り響き、雷管が雷管口から出て回転を止め始めた。
本来ならこうなるべきなのだが、不時着したときなんて考えてなかったんだろう。耐震センサーがなかった。回転率が下がったら緊急排出になっているんだろうよ。わからんけど。
キュイ~ンと音を立てて雷管の回転が止まり、動力機関は……止まらないか。でも、緊急停止なのだからプレアを送る装置だって停止するはずだ。
「ふー。まあ、破壊されるよりはマシか」
反重量炉が生きててくれるのなら数百年はプレアに困ることはない。プレアがあれば宇宙技術を学べるんだからな。
「レイ!」
ジーニーも重作業服を着て中に入って来た。
「悪いね、勝手に停めちゃったりして」
ジーニーらには命令もないのに停められなかっただろう。死ぬとわかっていてもね。その点、ボクなら命令違反にも反逆行為にもならない。罰せられることもないってわけだ。まあ、その罰する者がいるかどうかだけどな。
「構わないさ。レイがやらなかったら爆発していたかもしれないからな」
「整備班を集めて、状況を把握したほうがいい。艦橋との連絡は?」
「全然繋がらない。第二艦橋もダメだった」
上層部は逃げたか。墜落した船より人材を優先したんだろうよ。
となれば、宇宙に仲間の船がいたってことだろう。そして、ワームホール的なものは元の宇宙と繋がっていた、ってことなんだろうよ。




