第104話 ナメんなよ
予定の十日目はあっと言う間に過ぎ去った。
「よし! 問題ない!」
ジーニーの言葉に整備班の面々が歓喜の声を上げた。
戦争を何百年と続け、娯楽らしい娯楽もない生活なのに、整備班の面々には喜怒哀楽がちゃんとあった。ちゃんと生きている人間だった。
「レイ、やったね!」
苦楽を共にしたからボクも仲間として見てもらえるようになった。機関部のシャワーを使って皆と汗を流したりもした。
なんか青春って感じもしないではないが、反重力炉が問題なく動いて行くのを見ていると不安がどんどん募って来る。
たぶん、この勘は当たる。これは前世を生きた経験とファンタジーな世界を生きた抜いた経験が言っているのだ。
「動力機関に繋ぐぞ!」
反重力炉が動いて動力機関を稼働させ、プレアを生み出す。生み出されたプレアが船内に流す。
大まかな流れはそんな感じ。プレアが満たされるまでは半日は掛かるそうだ。
「ジーニー6! 一部、プレアが照射されてます!」
「どこからだ!」
「エベニーバールです!」
「なんだと!?」
エベニーバール? と検索すると、エネルギー照射みたいなことらしい。
「クソ! 情報が見れない!」
遮断されているんだろうよ。不都合だから。
「ジーニー6! コントロールを艦橋を奪われました!」
「動力機関稼働率が七十パーセントまで上昇します!」
「七十?! まだ動いたばかりだぞ! 動力機関を壊す気か!」
それでも構わないってことなんだろうよ。まったく、非道だね~。
まあ、最初から戦闘位の低い者は消耗品扱いされていた。守る気も気遣うこともしないだろうさ。
「七十パーセント越えました! さらに上昇してます!」
「クソ!」
ジーニーが機関室の端末を叩いて渡る必死に止めようとしている。指揮権とか考えてたら無理だろうよ。
「ルク。重作業服を着るから手伝って」
ライク班の子に耳打ちして重作業服を着るのを手伝ってもらった。
「レイ、どうするの?」
「SFにファンタジーの恐ろしさを教えてあげるんだよ」
ファンタジーをナメんなよ。そして、錬金鋼術士の力はSFにも負けないんだよ。
「ライク。ハンマーは出来てる?」
叩きすぎてボクが持って来た槌は柄のところがぽっきり折れて全滅。だからライクに宇宙金属製のハンマーを製造してもらったのさ。
「レイ、入るのは危険よ! 雷管口はブラズマが走っているのよ! 重作業服でも直撃したら黒焦げなんだから!」
「ファンタジーにはね、雷魔法を防ぐ鎧もあるんだよ」
雷に撃たれてもそれを防ぐ魔法がある。ボクの魔力もナメんなよ、だ。




