第101話 魔力量上昇
さあ、これからが本番だ!
体調万全意気揚々! と、時間を忘れるくらいに叩き続けた。
「おっしっ! もうちょっとだ!」
さらに追い込みを! と思ったが、最終局面。体調や意識を百パーセント回復させるべきだろう。逸るな、だ。
「ライク。他の様子はどうだい?」
携帯端末を使ってライクに通信を繋いだ。
雷菅口と雷菅が壊れたことで、他の回路に負荷が掛かった。ショートしたところや回線が切れたところもある。それをライク班がやっているのだ。
「今のところ順調だよ。そっちは?」
「残り八割と言ったところかな。二割をやり切るためにもまた一日休ませてもらうよ」
まだ女の子としての威厳は……保たれているか? 香ばしい臭いはするけど……。
「そうだね。十日は集中してたから。他の人のためにもシャワーを浴びるといいよ」
あれ? ボク、公害を振り撒いていた? それは申し訳ございませんでした!
周囲を見回したら、心なしか作業員が離れているような? ボク、そんなに臭いか? ちょっと、いや、かなりショックなんですけど!
荷物を纏めて雷管口部から飛び出し、部屋に戻ってシャワーを浴びた。
「下着を追加してもらわないとな」
水、火気厳禁なところなので体を拭いたりは出来ないが、下着を替えることは出来る……かな? 一心不乱に、食事を忘れてやっているからな~。まあ、無理だろう……。
さっぱりしたら食堂に向かった。
まだ食事の時間じゃないから誰もいないが、全自動調理システムなので、ボタンを押すだけで出て来る。肉が食べたいなら外にある野外調理担当に作ってもらうしかないそうだ。
「これで我慢するか」
外に出るまでが一苦労なんだよ。歩いたり昇ったり降りたりとね。
五食分平らげて腹が満ちた。味はともかく栄養だけは完全食だ。これだけ食べないと魔力が回復しないのだ。
「やっぱ、魔力量が上昇しているな」
ここに来た当時は一食で足りたが、今では五食は食べないと満足しないようになった。
ちなみに食事は運んで来てもらっているよ。パイロットが飲むゼリー状のエネルギーパックをね。味は……まあ、それなりだね……。
「レイ。綺麗になったようだね」
甘いもの食べたいな~って考えていたらジーニーがやって来た。やっぱり公害を振り撒いていたようだ。
「次から毎日シャワーを浴びるようにするよ」
「そうしてもらえると助かるよ。空気が淀むところだからね」
ハイ。気を付けます。
「どうも上が騒がしいようだ」
唐突にそんなことを口にするジーニー。やっぱりか。
「……上が騒いでも下がどうこう出来るわけじゃないんだろう?」
コーヒーみたいなものを飲んで答えた。
「まーね。こんなときは負け戦のときに起こるんだよ」
長く生きているだけに勘みたいなものが働くのだろう。
「生きてればなんとかなるさ。諦めないことだ」
慰めかもしれないが、死なないのならなんとかなるものだ。自暴自棄にはならないことだ。
「……そうだね……」
いつかジーニーに酒でも飲ませてやろう。だから死ぬなよ、同志よ。




