69.転換点4
「おお、どうやら来たみたいだね」
雑談で暇を潰していると、案の定母さんとユーバーさん達のパーティーの女性メンバーは合流したようでこのフードコートにやってきた。
「でね、それでね…、あらマギー、ヒューちゃん、お待たせしちゃったわね」
「いや、問題ないよフィー。僕らも雑談で暇を潰していたからね」
「ユーバー、リューク、今出たよ〜。あ、マギーじゃん」
「こんばんはマギー先生」
「やあ、久々だね」
母さんの後に続いて2人の女性がやってくる。1人はとてもハツラツとしている一方で、もう1人は先生に挨拶をした後、少し申し訳なさそうな面持ちでやってくる。
「すみません、フィーさんとの話に夢中になって長風呂してしまいました」
「ったく、のぼせねぇように気をつけろよ?長風呂は冒険者の敵だからな」
「すみません…」
リュークさんに注意めいた返しをされて女性は少しよそよそしい。新メンバー、と言うよりそもそも経験が浅そうだ。
「で、君がフィーが言ってたヒューレン君か」
「母さんが?」
明るそうな雰囲気の女性が僕の顔を覗き込んでくる。母さんの名前が出たので聞き返してみた。まああらかた予想はつくが…
「君のお母さんね、ず〜っと君の話ばかりしてたのよ」
だろうね…。
「しっかしヒューレン君、フィーが相当やるって言ってたからかなりがっしりした体つきの子をイメージしてたんだけど案外普通の体格ね」
「まああまり普通の10歳からかけ離れるのが嫌だったのもありますけど、逆に10歳の男の子がムッキムキとかどうなんですか…」
「…なんだよ」
リュークさんを一瞥して少しの間の後、
「…確かに」
「でしょ?」
お互い苦笑いを浮かべていると、ユーバーさんが場をまとめるために声を上げる。
「では、ひとまず明日のスケジュールを立てるとしましょうか。と、その前に。明日は我々のパーティーにヒューレン君が同行したいとのことですが、何か意見はありますか?」
「アタシは別に構わないわ。ヒューレン君の実力を見てみたいしね!」
「俺も別に構わねぇ…と、言いたいとこだが、ヒューレンはまだ10歳なんだろ?無えとは思うが、ヒューレンに何かがあるかもしれねえ不安が拭えねぇぜ」
「あの、私も同意見です。もしもの時の責任が取れませんし、ヒューレン君が具体的にどのレベルの戦闘者かわからないことには判断できないと思います」
ごもっともだ、僕が彼らの立場だった場合も同様の意見を述べるだろう。というか、絶対に連れて行きたくないな。背負わなくてもいいリスクをわざわざ背負う必要はないのだから。
続いてマギー先生が意見する
「君たちの意見は至極もっともだ。だけど、おそらくその心配は杞憂に終わると思う。
ヒューレンがどのレベルの戦闘者か、つまりそれは、ヒューレンが今までどんな魔物を討伐してきたかを提示して欲しい、という解釈でいいかな?」




