67.転換点2
大柄で少し強面な男の人と程よく筋肉がついた優しそうな男性が近づいてきた。
「あの、先生。こちらのお二方は?」
「僕の冒険者仲間だよ」
「多分そう思ってるのアンタだけだぜ、マギーさん…」
「マギーさんは我々にとって仲間、というより先輩ですね」
「いいじゃないか、つれないなぁ〜」
「まあいいや、無視してすまねぇな、坊主。だが、人様の名が知りたけりゃ、まずは自分が名乗るもんだぜ」
めちゃくちゃスムーズに先生の発言をスルーする辺り、口では先輩と言いつつも距離は仲間であることが伺える。
「ああ、すみません。僕はヒューレンです」
すると大柄な男性はニカッと笑う。おい強面とか言ったやつ誰だ!
「おう、偉いじゃねぇか。俺ぁリュークッつーんだ、よろしくな!」
「私はユーバーです。よろしくお願いしますね、ヒューレン君」
「よろしくお願いします!」
2人とも、とても気さくで優しそうだ。先生はいい仲間に恵まれている。
「んで、ヒューレンは、なんだ?アンタの隠し子かマギー?」
「そんなわけないだろう。僕は恋愛が苦手だってことは2人が一番よくわかってるじゃないか」
「悪かった、ほんの出来心だよ。本当のところを教えてくれ」
「いいとも。ヒューレンはフィーの息子だ」
「まあ、あらかたそんなとこだろうと思いましたよ」
するとリュークさんがニヤリと笑い僕に顔を向ける。なんだろう、次何を言われるのか僕わかっちゃった…
「ふむふむ、双剣のクアエダムの息子ってんだから相当な手だれなんだろうな?」
「へ?誰ですか双剣のクアエダムって」
「フィーのことだよ。彼女が冒険者として活動してた時の二つ名だ。双剣はその名の通りフィーが使う武器『ダガー』、『クアエダム』は彼女がエルフの里にいた時所属していた戦闘民族クアエダムのことなんだ。
クアエダムは精霊術を応用した戦闘技術を開発した一族で、フィーは特に優れた精霊術師であると同時に、優れた戦闘者だったため、里の外でクアエダムを名乗ることを許された数少ない戦士の1人なんだ。これが二つ名の由来だよ」
なるほど、母さんのあの強さ…といっても大幅に手加減していたようだが、あれは戦闘民族固有の技術から来ていたわけか。
「あー、でもなんで僕に戦闘技術がある想定なんですか?」
「あ?戦えるんじゃねぇのか?」
「いやまあ、戦えますけど…」
「あ?」
「うん?」
「あー…」
「そういうことです」
リュークさんが謎に納得したようなので適当に返事しておく。




