52.水が…無い1
「おはよう〜、ルナ〜。」
太陽が昇る前の、まだ空が少し明るくなったくらいの時に目が覚めた。幸いにも魔物に襲われることは無く、休息もしっかり取ることが出来た。
先生はまだ寝ていたため、起こしに向かう。
「先生〜。おはようございま〜す。朝ですよ〜。」
「ん、やぁ、おはようヒューレン。」
「おはようございます、先生。」
全員起きたので朝食の準備に取り掛かる。
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「さて、そろそろ出発しようか。」
朝食を済ませた僕らは穴を出る。実はわかってはいたものの、この辺りに水が湧いている場所は無く、顔を洗わずに朝食をとろうとしていた。先生が魔法で水を作り出してくれ、とても助かった。
特に目的も無いのでその辺りを散策してみる。出来ればCランクモンスターと戦ってみたいな。そう思いながら食料を調達しつつ歩いていく。
1時間後
何度かEやDランクモンスターと接敵したがCランクとは接敵しなかったので森のさらに深くを目指して進んでみた。のだが…
「この森、食料になる物は沢山あるけど、今は水が欲しいところだね。」
「あそこ、高台がありますよ。」
Cランクのモンスターを探していたはずだったのだが、水が無いことの深刻さに耐えかねて、ついに水源を探し始めてしまった僕らであった。
取り敢えず見つけた高台を登ってみる。
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頂上が意外と高く、思ったより時間がかかってしまった。
「はぁ、やっと着いた。」
早速辺りを見渡してみる。やはり高く澄んだ空はいつ見ても心休まる安心感を秘めている。意外と森の奥地に来ていたようで、街は東側に小さく、反対方向には連なる岩の山脈がそびえ立つ。
「ん?何だあれ?」
なんだか遠くで一瞬光るものが見えた気がした。ルナが察してくれたのか触手の形を変えて僕の眼前に添えてくれる。
ルナの体は透明かつ凸レンズ状であるためメガネの役割を果たす。
「あ、あっちに川がありますよ!」
岩山の麓付近に川が見える。木々が密集していたことと角度が悪かったため見えにくかったようだが、あそこなら水の調達が出来るかもしれない。
早速太陽の軌道を基準に方角を定め、方角を間違えないように慎重に草木を掻き分け進んでいく。
ついに目的のものを見定めたからか、こころなしか足取りはとても軽く、冒険する時のワクワク感のようなものを感じた。
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しばらくすると視界が開ける。今まで鬱蒼と茂る森を進んできたので突然目に差し込む日光に一瞬視界が白く染まる。しばらくして目が光に順応していくと、僕はそれを鮮明に捉えた。
「着きましたね、先生。」
「ああ、これで水には困らなさそうだ。」
すかさず川に走り寄る。汚れ一つ見受けられない、見ているだけで心すら清められそうな程の清流だ。これなら淡水魚も生息してそうだ。




