45.情報過多の研究
ということで、先日の一件の真相やいかにと、僕は先生に協力を頼んで朝の時間を使い、スライムは本当に魔力を吸収出来るのか、そしてあわよくば、魔力を吸収する仕組みについて実験をすることにした。
「じゃあ、まず予想される前提条件を話そう。第1に魔力を吸収できるのが自然現象によるものではなく、ルナのスライムとしての能力、もしくはスキルによるものだった場合だが…。
ルナがそのスキルを使わなければならないと判断しなければ実験が成立しない。少し荒い手を使わざるを得なくなった場合、どうする?」
ルナは文字という概念を認知している辺り、ルナは知能が恐ろしく高い。恐らく実験のことを伝えれば意図を理解し、協力してくれるだろうから心配はしていない。だが、ルナに無理をさせる気は毛頭ない。
「その時は実験を断念しましょう。」
「わかった、じゃあ早速実験に移ろう。まずは最も安全な方法でだ、魔力をルナに向けて放出する。これは、ヒューレンにやってもらおう。」
「わかりました。スゥ〜」
手に抱いていたルナを机に置き、深呼吸をして気持ちを整える。そして、ゆっくりと手をかざし、感覚をゆっくりと洗練させ、やがて一筋の魔力の流れを見つける。
そしてその魔力の流れを辿り、指先の魔力の流れを体外側に向ける。指先から青白く光るモヤが現れ、ルナに触れる、
しばらくするとモヤが渦を巻き、ルナの透ける体に青白いモヤが広がる。つまり、
「検証結果、スライムには魔力を吸収する能力がある。ということですね。」
「そうだね。だが、吸収する時の挙動、渦を巻いているということは何かしらの力が吸収時に生じているということだ。あとで実験してみよう。じゃあ、次の実験だ。」
何故、魔力を吸収することができるのか。そのメカニズムを確かめる。
「僕の予想では、魔法符を作る際に説明した『魔力濃度の濃いところに魔力は移動する』性質を用いているのではないかと思う。つまり、スライムの体は魔力、もしくは魔素で出来ているということだ。」
「つまり、魔石を使えば調べられるということですね。」
「そういうことだ。じゃ早速実験に移ろう。」
先生は手に持っていた魔石をルナの体に触れさせた。
ルナに触れた魔石は青白く光った。ここまでは想定内だったが、問題はここからだ。
なんと魔石がルナの体の中に入り込み、小さくなって消えてった。あまりの出来事に僕と先生は唖然としてしまったが、とりあえず状況を整理することにした。
「まあ、スライムが魔力の収束によって発生する引力を利用して魔力を吸収していることがわかったね。」
と先生が言っていると、ルナが突然触手を伸ばし、触手の先端が魔石に変化した。
「「…」」
僕と先生はもう何も考えないことにした。




