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3.見知らぬ世界と誰かの記憶3

「あっそういえば、ヒューちゃん風邪は大丈夫なの?」


「あっ・・・そういえば治ってる!」


 というふうに『気づいたら治ってる!』風な演技でやり過ごした。


「それより母さん、お腹空いたー」


「あら、そうね〜もうお昼だったわ。ちょっと待ってね、すぐ作るから!」


 そう言って母さんはこの部屋を出ていった。しばらく時間が空いたな。あっそういえば、母さんは耳が少し尖っていたな。

 よくファンタジー小説とか異世界ものの『ハーフエルフ』みたいだ。普通のエルフとかと比べて耳の形状は人間寄りだ。


 いや、もちろんエルフが人間という意味じゃないからね!! まあつまり、ここは間違いなく僕の記憶にあるような場所ではない、いや・・・それどころか恐らくここは異なる世界だ。


「ヒューちゃん!! ご飯出来たわよ〜!」


 割と時間が過ぎるのは早いんだな。よくそんなことを学校で言って『なんか、お前おっさん臭えぞ・・・』と言われたのを思い出したな。


「は〜い!今行くよ!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 廊下を漂う匂いに吊られつつ席に腰掛けた。やはりこの家は木造ベースのようだ。よし!昼食にするか!


「いただきまーす!」


「はい、召し上がれ。」


 主食は米・・・ではないな、何らかの穀物のようなものをお粥にしたものだ。だが名前は分からなかった。そして野菜のスープが今日の昼食のメニューだ。


「美味しい!」


「本当!お母さん嬉しいわ!。」


 僕は元々お粥が好きだ。程よい塩味のスープに穀物の少し歯ごたえのある食感がマッチしていて美味い。

 そして野菜のスープはお粥とは違った味をベースにそれぞれの野菜の特徴が良く現れていて良く調和が取れている。


 ハーモニーがどうとかはテンプレな食レポなので止めておいた。


「ご馳走様でした〜!」


「はい、じゃあお皿持ってきてね。」その後は特に特筆すべきは事はなかった。強いて言えば体の動きを確認したことだ。何故そんなことをやるのかというと、体が正常に動くか心配だったからだ。

 結論から言えば、特に問題は無かった


 僕の体は恐らく、元あったヒューレン少年の残留思念と僕の精神が混ざり合って精神を形成していると思われる。そのため、体が正常に動くのだと思う。


 ということで現在は夜、寝室にいる。外で運動していたらあっという間に夜になっていた。『光陰矢の如し』だな。


「明日は、何をしようかな・・・。」


 今日はいろんな事があった、正直疲れも感じるがそれ以上にこの世界への期待の方が大きい。


 異世界か・・・、元の世界に未練が無い訳では無いが、折角異世界にて得たこの命、一生をかけて楽しんで行こうと思いつつ今日は寝ることにした。

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