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36.そして転機は訪れる1

 ということでまた今日が終わった、スライムの名前を決められずに。

 僕は寝室のベッドに腰掛けてボーッとしていた。


 月明かりをバックに、スライムは先程から机の上を飛び跳ねている。やはり可愛いヤツだ。


 スライムの体に透き通る月明かりがスライムを輝かせる。スライムはまるで水晶の様に透き通り、体の中で屈折、反射を繰り返しスライムが輝いて見える。


 その姿はさながら、月の神の使いの様で、もしそうだと言われても納得してしまうと思う自分がいる。


 そういえば月関連の単語で『ルナ』っていうのがあったな。確かラテン語で『月の神』の事だったっけ。可愛らしい名前だ、スライムの名前としていいんじゃないか?


「よし、決めた!、君の名前は「ルナ」だ。

どうだ?」


 スライム、改めルナはほんのり赤くなり、体を震わせる。


「気に入ってくれたみたいだな。これからよろしく、ルナ。」


 手で器を作ってやるとすぐに飛び込んできた。やっぱ可愛いなルナは。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その後は、手応えこそ感じるものの魔力の放出量を増やす事はなかなか出来なかった。


 そして1ヶ月後、


「おお、出来た。ついに、」


「やりましたね!先生!」


 僕は魔力放出を覚えた。感動のあまり先生と僕は抱きついた。


「良かった、良かったよ。君に魔力放出が出来て!」


「はい…はい、先生…ついに、やり遂げましたね!、あと少しで、魔法天才を持たない人も魔法が使える事が証明できる。」


「よし、じゃあ家に入ろうか。最終目標を達成する実験をしよう。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「よし、じゃあこれを持って。」


 そう言って、魔法符を手渡してくる。実験の前に、この実験の最終目標を確認しよう。それは、魔法天才を持たなくても魔法を使えるようにすることだ。


 そのために作ったのが魔力を通すだけで魔法を発動できる『魔法符』である。


 そして、魔法天才を持たなくても魔力を放出出来れば、あとはそれを魔法符に流すだけである。


 故に、この実験の結果はほとんど成功するとわかっていた。失敗があるとすれば、神の妨害だ。


 この世界には神が確かに存在する。そして同時に、この世界には神が作った『スキル』『魔法天才』という2つのシステムが存在する。


 神が魔法天才を持たないものに魔法を使わせようとしないのなら魔法符を使っても魔法を使うことは不可能だろう。懸念はそれだけだった。


「よし、魔力を流して。」


 先生の合図で魔力を魔法符に流していく。すると魔法付に刻まれた文様が輝き出し、握り拳くらいのサイズの炎が出来た。


 実験は成功した。

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