34.スキル【スライムマスター】発動!
帰り支度を済ませ、帰路に着こうとした。そのとき…!
「あれ、スライムじゃないか?」
「えっどこですか?」
「あそこだ。」
「あっ…」
夕暮れに照らされ、オレンジ色に輝く大きな水滴の様なものがゆっくりと叢を張っていた。よく目を凝らさなければ見つからなかっただろう。
早速、そのスライムのもとに近づいてみる。
「…綺麗。」
ガラスの様に透き通り、太陽の光に輝くものが、そよ風に撫でられる水の様に揺れる。その光景に、目が離せなくなった。
「柔らかい、そしてほんのり冷たくて気持ちいい。」
気がつけば、いつの間にか手を伸ばし、スライムに触れていた。
もうそろそろ夏に近いこの時期には、この冷たさに心安らぐのである。
スライムも、僕に撫でられて踊るような素振りを見せる。
「かわいぃ〜!」
「この子、どうやら生まれて間もないようだ。君が育ててみたらどうだい?ヒューレン。」
「あっ、はい。」
早速、スキル【スライムマスター】の能力の1つ、【従魔契約】を使ってみようと試み…ようとしたが、
「スキルって、どう使うんですか?」
スキルの使い方を、僕は知らなかった。
「スキルの使い方か、発動の仕方は人によって違う。まずは使う事を念じてみたらどうだい?」
「念じる、ですか…。」
つまり、発動の仕方は複数あるということだろう。試しに念じてみる。
「(【スライムマスター】、発動。)」
すると、眼前にブルーベースのウィンドウが浮かび上がる。まるでSF映画の浮遊タッチパネルのようなデザインで、半透明で後ろが透けて見える。
ディスプレイ上にはこう書いてある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スキル【スライムマスター】
・❲鑑定❳
スライムの個体情報を鑑定可能。
・❲従魔契約❳
スライムを一体のみ従魔に出来る。
( ❲ ❳で囲んでいるところは水色です。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
水色の字で「鑑定」、「従魔契約」と書かれている。「従魔契約」を押してみた。
すると、画面が切り替わり、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなたの半径30cmに一体のスライムを確認しました。従魔契約を実行しますか?
ーーーーーーーーーーー
| |
| |
| |
ーーーーーーーーーーー
▶YES NO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
従魔契約をするかしないかと画面中央に対象のスライムの画像が浮かび上がった。
「君、僕と一緒に暮らさないか?」
「ポヨンッ!(跳ねている)」
理解しているかはわからないが、元気よく跳ねているのと、少し赤みが増したのを見てついてきてくれるのだと思った。




