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エッセイ集

日本語の魔法

作者: たてみん

いつもありがとうございます。

今回はちょっと詩っぽいを文体でお送りします。


半袖では肌寒く、長袖だと電車で汗をかく。

電車を降りれば冷たい風が汗を冷やす。

空は薄曇り。

小雨もパラパラと降っているけど、わざわざ鞄から折り畳み傘を出す程かと言われたらそうでもない。

なのに職場に着く頃には全身がじっとりと濡れている。


私はこういう中途半端な天気が嫌いだ。

暑いなら暑い。寒いなら寒い。

太陽が出るのか大雨が降るのかどっちかにしてほしい。

お陰で私の気分も陰鬱だ。

今日はこのまま嫌な気持ちで過ごすのかと思えばため息のひとつもつきたくなる。


だけどそこで私の友人がこちらを見て笑った。

「なんかさ。こういう天気って秋っぽいね」

秋っぽい?秋っぽい……そうだ。確かに今の天気を一言で表せば秋っぽいが的確だろう。

その言葉が私の心に染み渡った瞬間、世界の色が変わった。

グレーの空も黒く濡れたアスファルトも全てが日本の秋を彩る風流で雅なものになった。


日本語は、日本人は、同じものでもたった一言で全く違うものに変える魔法を知っている。

大地震で全てを失っても、戦争で全てを失っても、地獄の底から立ち上がって這い上がれるのは魔法の言葉があるからだ。

余裕のない時は「くそったれ。今に見てろ」でもいい。

探せば必ず今の自分の手を引き背中を押してくれる言葉がある。


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