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第五話 ルカール村

 二人で村に向かう途中、俺の家(部屋)が()()()場所に立ち寄った。

「何度ここに来ても切なくなるな」

 家は無残にも灰に帰っており、山火事の凄さが身に染みてわかる。

 あの日、ティルの火の魔法によってここら一帯は山火事で灰になってしまったのだ。

「ごめんね」

 ティルは申し訳なそうに謝るが、さすがにあの状況下では仕方が無いだろう。

「いや、謝らなくていいよ。あの出来事があったからティルと出会えたんだし」

 そう言うとティルは少し顔を赤くする。

 あぁ・・・このかわいい生き物は一体なんなんだ。キュン死するかもしれない。

 そんな馬鹿なことを考えていたら、焼け落ちた家の机がかつてあった辺りににお守りを見つけた。

「これは確かおばあちゃんにもらったお守りか」

 そのお守りは二十歳になった頃くらいに、お祝いに貰った物だった。

 これ、お守りにしては重くて首にかけるとすごい首が凝るんだよなー

 物が中に入っているのかお守りにしては不格好だし

 仕方がないから机の中にしまったままだったっけ・・・

「他の物は燃え尽きたのに、まさかこれが残るとは」

 今では帰ることさえできないであろう家族の事を思い出してしまい、少しだけ切なくなってしまう。

「それは何?」

 ティルは俺の手の中にあるお守りを覗き見る。

「これはお守り。俺の故郷のなんて言えばいいんだろう?まあ、厄除けみたいなもんだよ」

 ふ~んといった感じにティルは少し首を傾げる。

「一体どうしたんだ?このお守りが気になるのか?」

 何かの力を感じ取ったのか

「これ・・・少し魔力?みたいなものを感じるよ?」

 と言いつつ俺の手の中にあるお守りをひょいっと取り、中身を出そうとしている。

「や・め・ろ。御利益が無くなっちまう」

 そう言ってティルからお守りを取り上げた。

 ティルはぶすっとしながら隙あらばお守りを再び取ろうとしている。

 まったくこの灰しかない中で唯一残った思い出なんだ。

 中身を見て御利益が無くなったらただのちょっと立派な小袋になっちまうじゃないか。

「さあ、もうここに用もないし行こうか」

 そう言って二人は再び村に向かった。




 俺の家があった場所から反対方向に2時間ほど歩くと、

 小さな村が見えてきた。

 この村は、ルカール村と言ってはっきり言ってかなり田舎の村だ。

 名産なんて物は無いし、人も少ない。

 年齢層も高いため若者も少ない。

 けれども、人のいい人達がとても多い印象だ。

 俺の中での村のイメージはよそ者には厳しいイメージがあったのだが、

 この村に初めて来た時にそのイメージは粉々に打ち砕かれたのだった。

 やがて村の入り口に近づくと槍を携えた一人の門番が声をかけてきた。

「おーい黎斗~!」

 元気よく手を振る彼の名は、グラニス

 俺の呑み友達だ。年齢は二十五歳で彼女はいない。

 けれども槍さばきはとてもすごい。

 正直言うとなんでこんなところで門番なんてやってるのか疑問に思うレベルだ。

「よう!お勤め御苦労!」と茶化しながら手を挙げ

 グラニスは

「何様だ!馬鹿野郎!」と笑いながら反応し、俺の肩を組んでくる。

「今日はどうしたんだ?」

「食材の買い出しに来たんだ」

 そうゆうとグラニスは少し困ったような表情をした。

「そうかお前は知らなかったのか・・・。実は王都へ納税する作物の量がまた上がって今じゃ物々交換する余裕もないんだ」

 グラニスは申し訳なさそうに言った。

「俺が小さい時はこんなに小さな村に重税を課すことなんてあまりなかったんだけどな」

 そうゆうとグラニスは寂しそうな表情をしていた。

 そんな状況だったのか・・・全く知らんかった。

 てか横にいたティルはそれを聞いて少し悲しそうな表情をしている。

 そんなに料理を楽しみにしていたんだろうか?

 まあ、今度少し遠出すれば街があるって聞いた事があるし、一緒に買い出しに行くとしよう。

「そうか・・・わかった今日は帰るとするよ」

 そう言って引き返そうとすると

「待て待て・・・さすがにもう夕暮れ時だ。夜間は魔獣も出るかもしれない。今日は俺の家に泊まってけよ」

 確かにもう夕暮れ時で家に着く頃にはおそらく夜になっているな・・・

 俺はティルに「どうするか?」と聞くと

「夜は確かに危ないかも。お言葉に甘えて泊まらしてもらおっか?」

 グラニスは「よし!決まりだな!」と言うと早速家に案内をしてくれた。




こんばんわ!楽道です。

やっとこさ、村にたどり着きました(汗)

次回は今日の午後です。

次も読んで頂けたらとても嬉しいです♪

よろしくお願いします。

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