第三話 ティルシー
川につくと、早速服を脱ぎ川の中に飛び込んだ。
こんな大自然の川に入るのは、初めての経験だったのでちょびっとだけテンションが上がってしまう。
バーベキューを川でやることはあったけども、さすがにこんな森の中にある川でやったことなんてなかった。
「気持ちい~~」
つい言葉に出てしまった。いやはやホントに気持ちいいわ。お湯とはまた違うさっぱり感があっていいわこれ。
水浴びを堪能していると、突然爆発音が響き渡る。
普段聞きなれないその音に体が急に強張り、心臓が高鳴り始める。
「爆発音!?とゆうことは誰かいるのか!」
人に会えるかもしれないとゆう期待に胸が躍るが同時に今の爆発音が何なのかわからない以上うかつに近づいていいのかわからないとゆう不安もある。
だが、このチャンスを逃せば次はないかもしれない・・・
少し悩んだ末、勇気を出して爆発音のあった方角に向かってみることにしたのだった。
爆発音のあった方角に来てみると、なんだこれは・・・
地面は抉れ、木々は無残にも倒れ、辺り一面が火に包まれていた。
「ひでーな・・・これは」
まるで爆弾が落とされた後のような状態であった。
だが、これを行った人物は既に周りには見当たらず、どうやらここから移動しているみたいだ。
そして、爆発音が再び響き渡る。
どうやらすぐ近くにいるみたいだ。
俺は火の海の中を再び走りだした。
しばらくすると一人の女性とその周りを囲む犬?みたいな動物がいる。
だが犬にしては大きい。
おそらく狼ではないだろうか?見たことないからよくわからないけど・・・
女性の方は随分と派手な格好をしている。とゆうか魔法使いのコスプレしてる。
映画の撮影かなんかなのかと思い、周りを見渡してもカメラは見当たらない。
それに例え映画の撮影だったとしても、これはさすがにやりすぎじゃね?とも思う。
自然を燃やしたら、さすがに事件だろう。仮に許可があってもこれはやりすぎだ。
だが、映画ではなくこれは実際に起きてる戦闘だとしたら?
現に状況がそれを物語っている。
混乱した脳で考えをまとめていると、一匹の狼が女性の背後から飛び掛かる。
女性はその狼の動きに全く反応していない。
「危ない!!!」
そう言い放つと、俺の体は勝手に動き出し、女性をかばうように狼の攻撃を一身に受けた。
倒れこむ俺の下に狼が牙をたてる。その牙は右肩に深々と刺さり、嚙まれた場所からは血が噴き出てやがて血の匂いに誘われた多くの狼がこちらにターゲットを変え、襲い掛かる。
やばい・・・死ぬかも。
そう考えたとき俺の意識は深い闇の中に落ちていった。
次に目を開けたとき、知らない天井が目の前にあった。
「ここは?」
辺りを見回すものの、自分の家ではない。
なんとゆうか、何かに使うであろう材料みたいなものや道具がいっぱいある部屋に俺はいるみたいだ。
しばらくすると、一人の女性が部屋に入ってくる。
「起きた?」
彼女は一言だけそうゆうとベッドの横に置いてある椅子に座った。
「その、助けてくれてありがとうございます。」
俺はそうゆうと頭を下げようとしたが、不意に右肩に痛みが走る。
「まだ動いちゃダメ。傷に障る。」
おそらく彼女が手当てをしてくれたのだろう。
右肩や腹には包帯がぐるぐると巻き付けられていた。
助けに入ってこのざまじゃあダサいなぁとちょっぴり思ってしまった。
そんな俺の表情から、察したのか
「助けようとしてくれてありがとう」と小さな声で言われた時は、胸がときめいてしまった。
この魔女可愛すぎる。身長は低くて大体150cmくらいだろうか。髪は深い群青色で瞳の色はいつまでも見ていられそうな綺麗な銀色であった。
いやーこれは体を張った甲斐があったとゆうもの。
こんな女性に看病してもらえるとは、役得役得。
「でも私一人で十分だった」
そうゆうと急にぶすっとし始めた。なんだこいつ情緒不安定か?それは冗談としておそらく負けず嫌いなのかもしれないなとは思った。
「まあまあ、いいじゃないか二人ともこうして無事だったんだし。そういや自己紹介がまだだったっけ。俺の名前は大狼黎斗。あんたの名前は?」
「ティルシー。ティルでいい」
こんばんは。楽道です。
やっと新しい登場人物を出すことができました。
次回は今日の午後くらいだと思います。
よろしくお願いします。