表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

話を聞いてくれたら3000円

掲載日:2021/07/11

 ねぇ、あなた。

 かわいくてオッパイでかいよね?

 いつも男にモテモテよね。

 すごいよ。そこまで男にモテモテなの見た事ない。

 私の彼氏もあなたを好きになったのは分かる気がする。


 え、そんな事はない?


 ははっ、またまたそんな。

 謙遜けんそんはいらないよ。

 でも、性格もいいのね。


 ……性格良いやつは人の男にパイ押し付けながらすり寄らないだろ。


 あ、うん。

 こっちの話。


 そうそう、私の話10分聞いてくれたら3000円あげる。

 本当だよ。

 ありがとう。来てくれて。優しいんだね。


 でね、突然の話でごめん。


 全然関係ないんだけど、小さい頃かくれんぼってしたよね。


 ……あ、はと豆鉄砲まめでっぽうくらったみたいな顔してる。


 興味なかったら聞き流してくれて良いよ。


 で、かくれんぼ。

 したよね。


 公園とか学校とかで放課後何人かでやったよね。

 懐かしい。


 鬼は1人だからその他はパッと広がって思い思いの所に隠れる。


 でも、小学生が隠れられる所なんて大体固まってきちゃうの。

 いつも同じところで遊んでるしね。


 ……私の話興味ないんだね。こっくりこっくりし始めてる。寝始めのスピードやばくない?


 ……まあ、いいか。ちょうどいいかも。こいついくらかわいくても、起きてるとその性格で台無しだし。

 男の前だけなんだよね。


 でね、私もよく隠れるお気に入りの隠れ場所があったんだけど、たいていそこには先客がいるの。

 友達ならそこで仲良く隠れるけど、そうじゃない。


 黒いモヤモヤした霧みたいなのがいたの。


 普通ならそんなとこに隠れないけど、そうそう隠れ場所なんてたくさんないし、私はそこに隠れたかった。

 それがいけなかったのね。


 私が隠れる度にその黒いモヤモヤは形がはっきりしていった。


 そいつは大きな男の子の顔になっていった。

 いつもニヤニヤと笑いながらこちらを見ていたわ。


『僕たち気が合うんだね』


 そう言われてから私は今までの行動が間違ってたと思った。

 私はかくれんぼの最中だったけど、大声で叫んだっけ。


 ……あなたもかわいいけれど、私も小学生のその時まで地元でかわいいって言われてたんだから。


 ……だけどね、男の子の顔がニタニタしながらずっとこちらを見ていたらどう?


 その男の子の顔は最初小学生くらいだったけど、段々と私と一緒に成長してくのよ。


 でも、精神年齢? は成長しないみたいでね。


 時々、私の部屋でかくれんぼして私を驚かせてくるの。


 どう?


 常にそんな幽霊が一緒に居たら気が抜けないし、着替えも満足にできないし、おしゃれもできない。

 地味に下を向いているようになったわ。


 そんな私にも優しく声をかけてくれた彼氏。


 男の幽霊は男には興味ないみたいで、というか、男は目に入らないみたいなの。


 だから、彼氏とも何でもない話をして楽しく過ごせた。

 心が安らいだの。


 ……私、これで良いと思ったのに。


 お祓いとかも全然効かないからこれでいい、ってそう思ったのに。


 あんたが壊した。


 まあ、でもすぐ浮気する男はいらないわ。

 あげる。お下がりでごめんね。


 だから、だからね?


 ……、とびきり可愛くてオッパイでかいあなたなら、幽霊も気に入ってくれるよね?


 男好きのあなたなら男の幽霊も引き取ってくれるよね?


 ……ああ、あなたをニヤニヤしながら見てる。

 良かった。


 そいつさぁ、お祓いしようとするとどこかに隠れちゃってできないのよ。

 ま、頑張って。


 3000円ここに置いて行くね。


 私、パパママにお願いして引っ越すの。

 転校の手続きも済んでる。


 明日からたくさんオシャレして、メイクして、勉強にも集中できる。


 嬉しい。

 ありがとね。

幽霊も成長したり、好みが固まってきたりする奴もいるに違いない。多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ