表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RISE!~男装少女の異世界成り上がり譚~  作者: た~にゃん
プロローグ&登場人物紹介
1/205

プロローグ

お久しぶりです!二作目投稿開始いたします。

よろしくお願いします。

物心ついたときには、私は既に孤児だった。実の親の記憶は輪郭もろくにわからないほどにおぼろげだ。きっとその後の出来事があまりにも衝撃的で、凄惨なものだったからだろう。


ある日突然、私はすべてを失った。


なんの前触れもなく、住んでいた村が焼かれた。鎧を着たり着なかったりの薄汚い奴らが武器を振り回して、逃げ惑う村人たちを(ほふ)り、挙げ句火を放った。

気がついたら、私は死体だらけの焼け野原に一人、佇んでいた。文字通り、たった一人。私以外に誰も生きてはいなかった。大人を――助けてくれる誰かを必死で探しまわって誰も見つからなかったから、間違いない。立ちこめる死臭の中、私は力尽きて倒れた。


目が覚めたとき、私の中に『私』がいた。いわゆる前世の記憶というヤツ。『私』は『日本』という文明が発達した安全な国で何不自由なく暮らしていて、不慮の事故で死んだ。ごく普通の、ごくごく平凡な人生。


だったらなに?


それが『私』への感想。

だって……そんな記憶に目覚めたからといって、何が変わるんだ?今の私は、無力な幼児で死体だらけの焼け野原にたった一人。前世の記憶、なにそれ食べれるの?むしろ、今の絶望的な状況が無駄によくわかって、希望の光が秒で消えた。


あと何日で死ぬんだろ…。


諦念を胸に、空を見た。どんよりと灰色に曇った空を。


そうして、どれくらいたっただろう。


声が聞こえたんだ。そして、見つけた人影――背の高い男。そいつは生き残りを探しているようだった。死体をひっくり返しては生死を確認している。

「茶か、金髪…。青か…まあ、灰色の瞳なら…息子と言い張れるか。ああ、コレもダメか…」

死体を検分してため息を吐く男。


何ボケッとしてるの!チャンスだよ!


今までだんまりを決めこんでいた『私』が私を揺すぶった。


アイツ、息子の身代わり探してるのよ!あなた!茶髪に青目じゃない!


正直、死にかけて朦朧(もうろう)としてて、立てる気もしなかったんだけどね。でも、生きるには今頑張るしかない、死ぬ気になるしかないんだ。

私はない力を振り絞って、死体を(あらた)める男に這いずっていった。そして、ありったけの力を込めて男のズボンを掴んだ。


セールストークは()()()が大事よ!大きく出なさい!


重い頭をもたげ、無理やり唇の端を持ち上げて、私はそいつに笑いかけた。

「俺にしろよ。俺ならアンタに…特大の幸せと金持ちの老後をやるからよ…!」


………何言ってんのさ、私。プロポーズか。

ともあれ、それが私――俺と父さん、アイザック・ウィリスとの出会いだった。

よかったら一作目(完結済)もよろしくお願いします↓↓

『メモリー~元天才ピアニストのポンコツ悪役令嬢ですが、全力で破滅を回避します!~』

https://ncode.syosetu.com/n6010fn/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ