新しい仲間!
あの日から数日が経とうとしていた。
俺はあの日新世代人の城一郎さんに怪神に襲われた所を助けてもらった。そして、組織への誘いを受けそれを承諾した。
本部での手続きが必要との事で俺達兄妹は今日会う約束をした。
集合場所はと言うと俺達の家から10分程度の所にある駅の近くだ。
俺達は今その集合場所にいるのだ。
集合予定時間からもう15分が過ぎようとしていた。
「城一郎さん遅いな.....」
なんて俺は何回呟いた事だろう。
それから5分後........
「すまんすまん!遅れて申し訳ない!」
ちっとも反省しているように見えない。
「ほんとに遅いですよ!」
「あはは、すまんな!それじゃ行こうか!」
そう言われて俺達は城一郎さんの後について行った。
歩き始めて15分後。その組織の本部と思われる場所についた。
その本部の第一印象はは?!という感じだ。
何故かって?それは普通にビルで堂々と街中にたっていたからだ。
「すげーでかい....」
「大きい〜!」
俺達兄妹はおのおの思った事を述べていた。
中に入り受付の所に行き、手続きが済んだらしい。
「城一郎さん。もう手続き済んだんですか?」
「いや、まだだよ?」
「え?今そこでなんかやってたじゃないですか!」
「いや今のはこれから行く場所のための手続きだよ!」
「そーだったんですか....」
そう言って俺達はエレベーターを使い上へと上がっていく。
手続きができる階についたようだ。
しばらく進むと一つの部屋についた。
恐らくそこが手続き場所なのだろうということが予想される。
城一郎さんが扉を開け中に入る。
そこには色んな人がいた。
スーツを来た人。私服の人。工事現場の服装の人などなど。
当たりを見回していると俺はある人を見つけた。
テレビでよく見かける人だった。他にも見回しているとプロのスポーツ選手やお笑い芸人などの人達がいた。
「おまたせしました局長」
「おぉーやっと来たか」
そう言って奥から出てきたのは40歳ぐらいの人だった。
「城一郎くん、そこにいる子供達が君の言っていた新世代人かね?」
「はい、そうです。今日はこの組織に入るための登録に来ました」
「そうか」
俺達は奥に行き、別の部屋で待たされた。
ガチャ。
扉が開くと中に入ってきたのは城一郎さんとさっき出てきた局長という人ともう一人若い人がいた。
「君たちが新しくこの組織に入るという二人かね?」
「はい。そうです」
「そうか、そうか。じゃあこれからこの組織に入るのに値するかテストをする」
「え?」
え?ちょっと待てって!そんなの聞いてないぞ!と言いたいところだがもちろん口には出せないので心の中だけで思っておく。
「テストって具体的に何をするんですか?」
俺はそう聞いた。
「君たちの能力がどのような物かを確かめる。能力が弱いとか使いこなせていないとなると訓練が必要になるからな」
「そーですか....でもどこでやるんですか?」
「ここだ」
「え?」
「君の妹の能力はなんでも創造できる力らしいね?」
「はい!」
妹が答えた。
「ならその能力の力を見せてもらおうじゃないか」
「はい!分かりました!」
そう言って妹が創造して作り出したのは広い大地だった。
風も吹いているし、動物までもがいる。
妹が動物と風も一緒に創造したのだろう。
城一郎さんたちは妹に一切の動きがなく急に創造したのでとても驚いている。
「す....すごい....これは凄いぞ!」
「えへへ笑ありがとうございます!」
「これだけの物を見せてもらったら合格と言わないわけがない!君は合格だ!」
「やった!私は合格出来たよ兄さん!次は兄さんの番!」
おれか。何を引き寄せようか。そうだ。いい事を思いついた。
「ちょっと結依!」
俺は結依を呼び耳元で言った。
「遠くに岩とか木とか色んなものを創造してくれ」
「わかった!」
妹はすぐに創造し、遠くの方に岩や木などが現れた。
「今からあれを引き寄せ浮かせます」
そう言って俺は能力を発動した。
「「おぉー!」」
城一郎さんたちは関心している様子だ。
「他にも人間や隕石と言った物も引き寄せることが出来ます。またなんでも浮かせます」
「凄いぞ!凄いぞ!よくぞ見つけてくれたな城一郎くん!」
「ありがとうございます!局長!しかもこの子達は新世代人でも稀にいるとても強力な新世代人です!」
「おぉそうなのか!」
城一郎さんたちはとても盛り上がっているようだ。
「よし!君ももちろん合格だ!」
俺達兄妹は二人とも合格し、この組織にはいった。
この組織ではチームを組んで共に行動をするらしい。そしてそこに監督するベテランの人がつくらしい。
もちろんチームは俺と妹の結依で監督する人は城一郎さんだ。
俺たちは組織へとはいるための手続きを終え家に帰ろうとしていた。
すると、前に職員の人に連れられて歩いている男の子がいた。
顔は笑うことなくただただ下を向き続けていた。
俺は城一郎さんに....
「あの子はなんでここいるんですか」
と聞いてみた。
すると城一郎さんは.......
「あの子は怪神に両親を殺されたんだ。それでここで保護しているんだ....」
「そーだったんですか.....」
俺はこの時の改めて強く決意した。
絶対に妹を守る。妹を泣かせるやつは容赦しない。妹の笑顔を奪うやつは例え親友であろうともこの組織であろうとも潰す。
俺は本当に強く決意したのであった。
翌日城一郎さんから電話が来た。
話したいから今からこちらの家に来るとの事だった。
幸い今日は土曜日で妹も家にいる。
いつもだと妹は部活があるのだが今日は休みらしい。
本当は友達とかと遊びに行きたいはずなのに妹は一緒に話を聞くと言ってくれた。
辛い顔一つせずずっと笑ってくれている。
ほんとに可愛い妹だ。
家のインターホンがなり、玄関へと向かう。
扉を開けると城一郎とは別にもう一人若い女の子が横にいた。
中学生ぐらいだろうか。
髪は金髪で背は妹よりちょっと高く、すごくオシャレである。
「あのー城一郎さんその子は誰ですか?」
「あぁーこの子か?君たちと同じチームに入る金子曆くんだ。
「初めましてっ!金子曆ですっ!こよみんって呼んでくださいねっ!よろしくお願いしますっ!」
「よ、よろしくね!こよみちゃん笑」
「こよみんですっ!こ・よ・み・ん!」
この時の俺の顔はどーなっていたんだろうか。
多分不満丸出しの顔が出ていたと思う。
俺はこういう子が一番苦手だ。
俺はこの二人を家にあげた。
妹は曆ちゃんを大歓迎していた。すぐに意気投合したらしくずっと二人で喋っている。
「城一郎さん、あの子も新世代人なんですか?」
「あぁそうだよ!親二人とも新世代人でこの組織で働いているよ!」
「そーなんですか....で、あの子の能力はなんなんですか?」
「あの子の能力はだなー主に光系の能力を使うことができる!」
「例えば?」
「例えばー治癒の能力を使えたり、光の矢を使える!」
「いやそれめっちゃ強いじゃないですか!」
「うん!そうだ!めちゃくちゃ強い!ちなみにあの子の親二人ともこの組織の幹部だ!」
「まじですか....」
とんでもない子がうちのチームに加わったものだ。
これからこの子の親御さんにどれだけ世話になるのか。
新たな仲間が加わる事は素直に嬉しいが親御さんは幹部でこよみちゃんはこんな性格だし絶対苦労することだろう。
今日城一郎さん達が来た理由はこよみちゃんの紹介と怪神の目撃情報らしい。
こよみちゃんの紹介は終わって、次は怪神の話に移ろうとしていた。
「で、怪神の目撃はどの辺りなんですか?」
「最初は今は使われなくなった工場の中にいたらしいんだが、他の新世代人が調査した時には消えていたらしい」
「どこに行ったかわからないんですか?」
「どこに行ったかは分かっている!追跡の能力を持つ奴がいるからな!」
「どこに行ったんですか?」
「山の中のどこからしい!」
「あ、そーですか........」
俺たちは明日その怪神討伐に行くらしい。
明日は日曜日なので時間は全然ある。
みんなとの話し合いで集合時間は朝の8時に決まった。
いよいよ俺達の初の討伐が始まる。
初めてで分からないことはたくさんあると思う。
だが城一郎さんやこよみちゃんが支えてくれると言っている。
安心して戦える。
俺の今回の討伐でやるべき事は2つある!
一つは怪神を倒すこと。
2つ目は妹に怪我をさせないこと。
妹を守るためならば俺は命さえも捨てることができる。
そんな思いを胸に俺たちは明日の準備をして、寝た。