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初めてのお買い物デート その一

 皆様、聞いて~!(皆様って誰よ?)


 今日はデ・エ・ト!


 初めて旦那様と二人だけでお出かけ!!



 なんでこんなに浮かれているかってお思いでしょうが、忘れちゃいけない、下級貴族とはいえ腐っても貴族令嬢だった私。


 殿方と二人きりでお出かけなんてしたことがなかったもの。

 

 今回の結婚だって、いわゆる政略結婚で式当日までお会いしたことすらなかったわけで。お見合いですらないですからね。


 見たのは釣書と共にあった絵姿だけですしね。絵姿なんて大抵8割増しぐらいに描かれているものだし。


 旦那様の場合は実物の方が良かったけど。絵姿はちょっときつそうな印象でしたからねぇ。


 無口な人とも聞いていたから、なおさら少し怖かったけど、実際にお会いしたら無口な天然という器用な(?)方で、なかなか興味深い。


 たまにする会話が、面白いというか、ほのぼのというか、たまにグサッと... ...これは忘れよう、うん。


 1日だけだから遠出はできないし、まだヤポナに来たばかりなので、今日は近場でお買い物も兼ねてではあるけれど、デートはデート!(しつこい!)



 と言うわけでやって来ました、百貨店。


 ふぁ~、大きい!


 旦那様曰く、ここならなんでも売っているとのこと。でも百貨店なら百個もしくは百種類のものなんじゃないの?もっとあるなら、千貨店とか万貨店とか億貨店とか。


 そう旦那様に言ってみたら、「屁理屈」と言われた... ...解せぬ。


 ちなみに普段の食材とかを頼んでいるお店は商店街といって、いくつもの商店が通りをはさんで並んでいる。

 オランシアのアーケード街と同じようなものだ。

 でも今目の前にある百貨店のようなものはオランシアにはない。

 なので私にとっては、いざ初陣である。


 楽しみ~。



 まずは一階をまわる。


 キョロキョロ...キョロキョロ... ...。


 いや待って、なんで旦那様がキョロキョロ?



 聞くと普段は外商と言って、百貨店がカキノウチ商会にやって来るらしい。建物が動くんじゃないのよ。担当の人が頼まれたものやおすすめのものをもって来るのよ。


 商人が百貨店に来たことないってありなのか?と驚いたが売り物や相場は全て把握しているから大丈夫なんだそうな。そういうものなのかしら?


 オランシアでも領民が麦や野菜を持ってくることもあったけど... ...ちょっと違うらしい、まぁ、いいや。


 と言うわけで、改めて二人で探検。


 一階は暑い季節柄か帽子が多く置かれてた。大きなリボンのついたものや、レース素材のものや多種多様。


 ふと横を見ると旦那様がリボンのついた帽子をかぶってニコニコと。


 えっ、そういう趣味があったのか?とびっくりすると、その顔に満足したのかますますニコニコして脱いでいた。


 うん、ちょっとはわかってきた気がしますわ、この人のこと。


 でも何気に似合ってて洒落にならないわ。微妙な敗北感が... ...。


 他にも財布や扇子などが売っている。


 「これだこれだ。」と旦那様が手に取ったのは、白地に赤丸が描かれた扇子。


 シ、シンプル過ぎません?他にも色々ありますよ?何故それ?


 不思議なセンスだが(洒落じゃないですわよ!)、「だって必需品だもん。」だそうで。


 ヤポナ人、奥深し。


 気をとりなおして二階へ。


 ここは衣類全般が売られていた。もちろん下着もあり欲しかったけど、旦那様とはいえ男性と一緒はちょっと。また今度お義母様と来ようっと。


 ここで結婚式で着た白無垢のような服を扱っている売場があった。


 着物というヤポナの伝統的な民族衣装だそうだ。そのなかでも浴衣という薄い一枚物の涼しげな着物があった。


 今では夏祭りなどでよく着られるそうだ。来月辺りには各地で夏祭りがあるらしい。


 私も行ってみたいと言うと、もちろんそのつもりだよと返されウキウキ。浴衣自体はお義母様と一緒に外商経由で買うことになっているそうなのでここでは見るだけに。


 が、そこで一緒に売っていた小物類のうちわを旦那様がお求めに。


 いや、さっき扇子買いましたよね、用途は同じでしょ、扇子って折り畳み式うちわみたいなもんなんじゃないの?


 旦那様曰く、「あれは必需品、これは実用品」だそうな。


 いや、そんなドヤ顔で言われてもわかりません... ...。



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