↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/48

柿園とおにぎりころりん

別に一本投稿しました。

一応、ジャンルは歴史で、流行りの(?)転生ものです。

歴史といっても、信忠君が愚痴ってるだけのネタ文ですが。

お暇ならそちらもよろしくお願いいたします。



 先日、河童衆のタロウさんが桃園を買った件で、旦那様が触発されたようです。


「アンジェリークに柿園をプレゼントするよ。タロウには負けない!」


 カキノウチだから柿園......捻りのない......。


 それに、好きな娘に桃園をプレゼントしたタロウさんと張り合う必要がどこにあるのやら。

 私はもう妻ですけどね。


「あっ、そうか。」


 おいっ、 忘れてたのかっ!


 実は柿というものはオランシアにはなくて、味がわからないのですよ。


 まだ季節でもないので売ってませんしね。


「甘くて美味しいよ。干したらもっと甘くなるし。お菓子やジャムも作れるよ。」


 おお、期待できそうですわね。


「じゃあ、柿園を、見に行こうか。」


 えっ、もう購入済みですか。

 行動はやっ。


 もし、わたしが要らないと言ったらどうするつもりだったんでしょう。


「やけ食いしてアンジェリークが食べるもの全部が柿の味になる呪いをかけてやる~。」


 柿味のご飯、柿味の味噌汁、柿味の魚......。


 地味にキツイ呪いですわね。

 断らなくて良かったわ。


「天気も良いしお弁当持っていこうよ。」


 旦那様の提案で、柿園視察にピクニックを兼ねて出掛けることになりました。


「柿はね、『桃栗三年柿八年』っていってね、食べられるようになるまで時間がかかるんだよ。小学生の年頃になるまで食べられないんだよ。」


 ......。


 旦那様、その発言ちょっと危ないですわ。


 あちらの世界の方のようですわよ。

 捕まりますわよ。


 今買っても食べられるのは八年後ですか?


「いやいや、種を蒔いてから八年だから。買った柿園はほとんどが八年過ぎた木だから大丈夫。」


 あ~、良かったわ。


 さすがに八年待つのは長いですものね。

 でも桃の倍以上かかるんですね。

 これは大事に育てねばなりませんわね。


 話しているうちに柿園が見えてきました。


 おお、結構広い、これは食べきれませんわ。


「もちろん桃園と同じで、アンジェリークの分以外は売り物にするよ。」


 旦那様たちの分も売らないでくださいね。

 皆で食べましょう。


 まだまだ実はありませんが青々とした葉は木々が元気に育っていることがわかりうれしくなります。


 お昼時なので、柿の木陰でお弁当を食べることにしました。


 急にお願いしたにもかかわらず、おにぎり、卵焼き、ウィンナーなどお弁当の定番が並んでます。


 さすが料理長。


 お弁当もオランシアにはないのですよ。


 出先でパンなど食べることもありますが、箱にいろんなおかずが色とりどり、綺麗に詰め込まれているものはないのです。


 このヤポナ文化も、私のお気に入りになりましたわ。


 はぐはぐと食べていると旦那様が、


「ああ~、おにぎり待って~。」


 おにぎりを落としてしまったようで。


 でもそんなに慌てなくても、ゆっくり拾えばいいじゃないですか。


「三秒ルール!」


 駄目駄目!

 三秒ルールは意味わかりませんわ。


 少し丸みのあるおにぎりは、見事に転がって窪みへ。


「あれ、引っ込んでるだけかと思ったら、穴空いてるよ。」


 結構大きいですし危ないですわね。


 巨大もぐら?


 ヤポナならあり得る......かも?


「...に...が...お...き。」


 ん?

 今何か聞こえませんでした?


「聞こえた。穴の中から。」


 何かしら。


「あ~っ、きっと《おむすびころりん》の穴だ!ネズミがいっぱいいるんだ!」


 《おむすびころりん》の穴?


 何のことかよくわかりませんが、ネズミがいっぱいなんて嫌~。


 想像したら......うわっ、鳥肌たっちゃったわ。


「中に入ったらネズミが宝物の入ったつづらをくれるんだよ。」


 さっきから旦那様の言うことがよくわからないのですが。

 つづらって何?

 なぜネズミが宝をくれるのよ。


 ネズミの宝って、チーズとか?

 金銀財宝ではないわよね。

 ネズミには役に立たないでしょうからね。


 ネズミの大群なんて悪夢ですわ。

 宝なんて要りませんから、穴埋めちゃいましょうよ。


「アンジェリーク、ひどい!埋めたらネズミさんたちのお家が大変じゃないか。」


 うっ、それはそうですが、生理的に無理~。


「お~い、お~い。誰かいるのかぁ!」


 うわっ、さすが神秘の国ヤポナのネズミ!


 ヤポナ語を話してますわ!

 まさか、人型ネズミ?ハーフ?

 うう~、気持ち悪い想像が広がってしまう~。


「どっこらせ。」


 へっ?


「うわっ、暑っ!」


 どちら様ですか?


「いや~、地下で工事してたらよ、天上に、穴空いちまってよ。いや~、焦った焦った。はっはっはっ。」


 笑い事じゃありませんよ。


 おにぎりだったから良かったものの、人が落ちてたら大怪我だったかもしれないのですよ。


「いや、本当に申し訳ない。あ、これ。」


 土まみれのおにぎりをどうしろと。


 受けとりますけどね。

 ごみを置いていくわけにはいきませんからね。


 ああ、もったいない。

 旦那様の好きなおかかだったんですね。

 残念でしたわね。


「穴はきちんと塞いでおきますよ。もちろん、また崩れたりしないように補強してね。他にも危ないところがないか確認しておきますわ。」


 ちょっと驚きましたけど、今のうちに気づいて、不幸中の幸いだったかもしれませんわね。


「うう~っ、おにぎりが~、ネズミが~、お宝がぁ~!」


「旦那さん、どうしたんです?宝って何ですか?」


 すみません、放っておいてやってください。

 ちょっと寝ぼけてるだけですから。


 ......そんなに不思議ばかり、あってたまるかぁ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。